「じゃあ戻ります!」車移動中に出場決定 上久保実咲は人生初のコースで好発進

上久保実咲はレギュラーツアー今季2戦目

◇国内女子◇資生堂・JAL レディスオープン 初日(3日)◇戸塚CC西C(神奈川)◇6766yd(パー72)◇晴れ(観衆4133人)

開幕3日前の月曜日、上久保実咲は本大会の開催地である横浜にいた。試合にエントリーしていたからではない。そもそも今週は出場資格を持っていなかった。次の用事のため、車で名古屋に向かっていると、推薦出場が決まったと連絡が入った。「じゃあ戻ります!」と予定を変更して急きょ引き返してきた。

コースに入ったのは火曜日の夕方。突然の決定で、練習ラウンドをする時間さえなかった。しかし、「練習ラウンドとか関係なく、出られることがすごく貴重だし、うれしかった」。レギュラーツアーの出場は、開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」以来今季2試合目。断る理由はなかった。

「トミーアカデミー」の合宿も刺激に

初めて立つティイングエリア、初めて見るグリーン…と目に映る景色すべてが新鮮だった。だが、終わってみれば4バーディ、2ボギー「70」。ぶっつけ本番で回った人生初のコースを2アンダー7位で滑り出した。「すごい、びっくりしてます」というのが素直な感想だ。

マネジメントでは帯同したハウスキャディの力を借りた。「とにかく奥はダメだと仰っていて。花道を狙って、手前からを意識していた」と日差しが強くなった午後スタートで着実にプレーした。

練習ラウンドなしの完全初見

初の最終日最終組を回った22日閉幕の下部ツアー「ユピテル静新レディース」で4位。オープンウィークの前週は師事する中嶋常幸の「トミーアカデミー」の合宿に参加した。練習中には、同じ門下生で2週前「ニチレイレディス」でツアー初優勝を遂げたルーキー入谷響の活躍も耳に。「『(中嶋から)響、いくつで回ってるぞ!』って。本当にすごいし、私も頑張ろうって思える」と刺激を受けながら腕を磨いた。

レギュラーツアーへはこれまで9試合に出場し、いまだ予選通過はない。今季の目標は「主戦場のステップアップで優勝することと、レギュラーで予選通過すること」と言う。思いがけずつかんだチャンスをものにしたい。(横浜市旭区/合田拓斗)