角田裕毅のシートを狙う……レーシングブルズのハジャー&ローソンの野望はおとなしめ?

 レッドブル・レーシングは2025年シーズンを、マックス・フェルスタッペンとリアム・ローソンのラインアップでスタートさせた。しかし2レースを終えた段階で、ローソンはそのシートを、角田裕毅に譲らざるを得なかった。

 その角田も、フェルスタッペンと同じようなパフォーマンスを発揮するのに苦労している。この状況を、レッドブルのジュニアチームであるレーシングブルズのふたりはどう捉えているのだろうか?

 ローソンは開幕2戦とも、予選でほぼ最下位という位置に低迷。その結果第3戦日本GPからは角田がレッドブルに昇格し、ローソンはレーシングブルズに出戻ることになった。

 角田は、予選で最下位ということはなく、2戦目となったバーレーンGPでは予選Q3に進み、決勝でも9位入賞。レッドブルの首脳陣は、久々に2台揃ってポイントを獲得できたと安堵した。

 しかし角田は、エミリア・ロマーニャGPの予選で新型のフロアを壊してしまったあたりから、予選決勝とも低迷。そのエミリア・ロマーニャGPではなんとか10位入賞を果たしたものの、以降7戦で無得点と苦しんでいる。これは角田だけではく、フェルスタッペンも苦しみ始めていることから見ても、マシンに問題があるのは間違いないと言えるだろうが。

 角田は今季序盤2戦でレーシングブルズのマシンを走らせていた際、常にトップグループの直後につける速さを見せていた。明らかに今のレッドブルでの方が、パフォーマンスは低下してしまっている。

 ただ実際問題として、レッドブルがフェルスタッペンひとりに依存しすぎてしまっているのは事実。来季に向けては、コンスタントにポイントを獲得することができるドライバーをふたり揃えたいと考えるのは、当然のことであろう。そのため、来季のレッドブルのラインアップがどうなるのか、注目が集まっている。

 レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、来季のドライバーラインアップ決定を急ぐつもりはなく、夏休み明けから検討を始めるとしている。

 ではこのレッドブルの状況を、レーシングブルズのふたりはどう見ているのだろうか?

 ローソンはレーシングブルズに出戻った後、改めて経験を積むための時間が与えられており、そこで徐々に良い感触を掴みつつある。そのため、トップチームに復帰するのは、まだまだ優先事項ではないようだ。

「今年は忙しかったから、あまり考えていない」

 ローソンはそう語っている。

「まずは良いレースを走ることに集中している。最近は良いレースがいくつかあったが、12レース中3レース、いや何レースか良いレースを走っただけでは十分ではない。もっと頻繁に、そういうレースをする必要がある。そうすれば、もっと結果が分かるよ」

 今のところローソンは、レーシングブルズでパフォーマンスを発揮することに集中している。そしてそこで良い感触を取り戻し始めている。

「正直に言うと、マシンの小さな部分と自分自身の小さな部分で、マシンに心地よさを感じられるようになってきた。それ以外に大きな変化はない」

「オーストリア以降、マシンに本当に心地良さを感じている。でも、スピードはシーズン開幕時、つまりマシンを乗り換えてからずっと感じられていた。シーズン序盤は細かい部分でうまくいかないことがあって、それが安定性を欠いていた。今は安定しているけど、それを維持するのは難しい。だから、そこに集中し続けなければいけない」

まずはポイント獲得が目標

 一方でチームメイトのアイザック・ハジャーはこれまで、レッドブルのふたつ目のシート獲得に挑戦したいという意欲を何度も示してきた。しかしその彼も、今はレーシングブルズでの戦い、そしてローソンとの争いに集中している。

 そしてハジャーは、フェルスタッペンのチームメイトになることを考える前に、何に取り組むべきか分かっている。

「Q3では、絶対にミスをしないようにしなければいけない。全部が整理できて、もうミスをしないようになったら、(レッドブルに昇格することを)考えよう」

 そうハジャーは語った。

 そしてレッドブルのシートを手にすることを夢見ているかと尋ねられると、ハジャーは次のようにひと言語った。

「ポイントを獲得するのが、僕の夢だよ」

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