苦しむハミルトン、”跳ね馬OB”からチクリ「私が知る限り、チームの90%は移籍に反対だった」

 ルイス・ハミルトンのフェラーリ移籍は、発表された当時世界中のファンが驚いた。ハミルトンが初めて赤いレーシングスーツをまとった際は大きな騒動となった。しかし、フェラーリの元F1ドライバーであるルトゥーロ・メルツァリオは、少なくともチームの90%がハミルトンの移籍を望んでいなかったと主張した。

 ハミルトンは40歳でキャリアの新章をスタートさせた。メルセデスで12年間を過ごし、計6度のチャンピオンを獲得した彼は、フェラーリのマシンを運転するという幼い頃からの夢を叶えたが、これまでのところそれは悪夢へと変わったように見える。

 ハミルトンにとって今季これまでのピークは、第3戦中国GPスプリント予選でポールポジションを獲得し、スプリントを勝ったことだ。しかしそれ以降、ハミルトンは苦戦が続いている。

 フェラーリがコンストラクターズランキング2番手につける中、ドライバーズランキングでハミルトンは6番手。まだ決勝レースで表彰台を獲得できていない。またマシンパフォーマンスにも満足していないと明言している。

 一方で徐々に自らを責める様子も見せており、ハンガリーGP予選後には自身のパフォーマンスを厳しく批判し、「フェラーリはドライバーを交代する」べきだとまで発言した。

Charles Leclerc, Ferrari, Lewis Hamilton, Ferrari

 こうした状況を受けて、ハミルトンに厳しい発言をしたのが、フェラーリのOBであるアルトゥーロ・メルツァリオだ。

 メルツァリオは1960年代からイタリア国内やヨーロッパのスポーツカーレースで活躍し、1972年にフェラーリからF1デビュー。スポット参戦ながらドイツGPで6位に入賞。1973年はフェラーリからF1にフル参戦したが、この年のマシンは設計ミスと安定性がなく、2度の4位が精一杯だった。

 彼はその後、ウイリアムズやフィッティパルディ、マーチ、シャドウなどを渡り歩き、自らのチーム「チーム・メルツァリオ」を設立するなど、計85戦に出走。通算11ポイントを獲得している。

 メルツァリオは、フェラーリとハミルトンの”結婚”は、ハネムーン期間が非常に短かったため、この契約は「純粋に商業的なもの」だったと分析している。

「私の知る限り、チームの90%はその決定に反対だった。ドライバーがチームの一員であると感じられなければ、モチベーションは失われる」

「それでも、まだ終わっていない。彼は適切な機会を待っている」

「彼が8位のためにリスクを冒すとは思えない。もしチームを去りたいなら、別のチームを探すだろう。なぜなら、彼はすでに自分の能力を証明しているからだ。しかしシャルル・ルクレールは自分がチャンピオンになれることを証明する必要がある」

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