山下美夢有が日本ツアーの単年シード確保へ 出場義務7試合クリアにメド

日本ツアー凱旋の山下美夢有は多くのギャラリーを引き連れた

◇国内女子◇北海道meijiカップ 初日(8日)◇札幌国際CC島松コース(北海道)◇6642yd(パー72)◇曇り(観衆2506人)

1番ティに立った山下美夢有への拍手は、「2025年の全英女子オープン優勝」というスタートコールでさらに大きくなった。日本人6人目のメジャー制覇を遂げた翌週の凱旋出場を喜ぶファンの幸せそうな雰囲気に、祝福される側の山下の胸も熱くなった。「ほんまに初日からたくさんの方が応援に来てくださって、皆さんに『おめでとう』と言ってもらえて。いつもと違う雰囲気でうれしかったですし、すごく良かったです」と特別な瞬間をかみ締めた。

セカンドをグリーン右手前に外し、いきなり3mほどのパーパットを残すピンチ。これをしっかり切り抜けてギャラリーを沸かせた直後、200ydと長いパー3の2番でフェアウェイウッドのティショットが奥にこぼれてボギーが先行した。

キャディを務める妹・蘭さんと力を合わせてプレー

3番でバウンスバックを決め、残り125ydほどで8番アイアンを握った6番(パー5)の3打目がハイライト。左足下がりの傾斜地で、直前に打った同組の佐久間朱莉が番手をスイッチするなどジャッジが悩ましい風も吹いていた。フェアウェイでプリファードライが適用されるウェットなコンディションでグリーンもかなり軟らかく、それまでもキャリーした後の転がりに気を遣ってきた。しっかりピンの手前まで突っ込み、カップをかすめるように横30㎝にピタリ。「イメージ通りのショットが打てました」とうなずく。

7番(パー3)も5mほどを決めて2連続バーディ。後半12番(パー5)でスコアを落とした後に雷雲接近のため中断し、そのままサスペンデッドとなった。

初日は6ホールを残してサスペンデッド

スコットランド、ウェールズと渡ってきた3連戦目。2日目は24ホールをプレーする長丁場だが、タフなスケジュールで日本ツアーの単年シードを確保するメドも立った。今季から米ツアーに主戦場を移し、国際ツアー登録をしている山下には開催試合数の20%(7試合)の日本ツアー出場義務があり、これをクリアできなかった場合は翌年度の単年シードなどは対象外となる(罰金はなし)。

メジャー5大会に加え、10月に行われる米女子ツアーの国別対抗戦「ハンファ・ライフプラス インターナショナルクラウン」もトーナメント事業部が承認する競技としてカウントされるため、今大会を含めて7試合をクリアできる見込み。全英女子での優勝800ptなど、メジャーで獲得したメルセデスランキングのポイント1170.33ptは昨季のランク15位に相当する数字。日本での“勲章”をキープしたまま、海の向こうでの戦いに集中できる。(北海道北広島市/亀山泰宏)