勝ち方知るビッグマン&3Pシューターで弱点克服だ アルバルク東京、10月開幕新シーズンで期待の新戦力
〈ウォッチ・バスケBリーグ〉
バスケットボールBリーグ1部(B1)アルバルク東京(A東京)は、10月開幕の新シーズンを昨季から残る10選手と新加入3選手で戦う。伊藤大司ゼネラルマネジャー(GM)が「強みの守備はそのまま。弱点の攻撃を補った」と言うとおり、7季ぶりの優勝に向けたオフの動きはシンプルだった。
新シーズンに向けた補強の狙いを説明するアルバルク東京の伊藤大司GM=東京都の府中市役所で
◆課題の攻撃力を補う外国籍2選手
昨季の1試合当たりの平均失点はリーグ最少の70.2点。高さがあり、リバウンド能力に優れたライアン・ロシターやセバスチャン・サイズ、相手の司令塔や得点源を徹底マークする小酒部泰暉らを中心とした堅守を誇った。
一方、平均得点は24チーム中16位の76.1点。3点シュートの平均試投数は最下位の23.1本、成功率は17位の32.7%と攻撃力が課題だった。伊藤GMが弱点克服のキーマンにと期待するのが、新加入の外国籍2選手だ。
新加入のブランドン・デイビス(背番号0)©ALVARK TOKYO
米プロNBAでもプレーしたブランドン・デイビスは208センチの長身ながら3点シュートも得意とする。伊藤GMは「これまでチームにいなかったビッグマン(長身選手)」と評価。フランスやスペインなど欧州で長くプレーし、計7度の優勝を経験するなど勝ち方も知る。
新加入のマーカス・フォスター(背番号17)©ALVARK TOKYO
イスラエルのクラブから加入したシューターのマーカス・フォスターは、昨季出場した国際大会で3点シュート成功率40%超をマーク。激しい守備を突破できる個人技も併せ持つという。
◆「スタイルや戦術は変わらなくてはいけない」
また、時間をかけて陣形を整える攻撃スタイルが対戦チームに研究され、昨季終盤はミスでボールを失うターンオーバーが増えた。
新加入の中村浩睦(背番号5)©ALVARK TOKYO
そうした苦しい局面の打開を任されそうな選手が、B1ファイティングイーグルス名古屋から加入した中村浩陸(ひろむ)だ。伊藤GMは「司令塔に必須の、試合のリズムを読む力がある。チームにとってどんなペースが最適か判断し、周りの選手を生かせる。チームの力になる」と期待を寄せる。
今季も指揮を執るデイニアス・アドマイティス監督の下、本格的な戦術練習が始まるのは日本代表としてアジア・カップを戦ったテーブス海(かい)らの合流後になる。形をつくるのはこれからだが、伊藤GMは「スタイルや戦術は変わる。変わらなくてはいけない」。新本拠地「トヨタアリーナ東京」で迎える新シーズンへの強い思いがあふれた。(渡辺陽太郎)
アルバルク東京の2025-26シーズンの登録選手と監督 ©ALVARK TOKYO
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