「追いつきたかった、今日中に」 渋野日向子は西郷真央に届かずも暫定2位

気合を入れすぎちゃう
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 2日目(30日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇6829yd(パー72)
「こうやって、毎年良いコースで回らせてもらってすごく楽しいし、怖いです」。勢いがついたと思ったら、途中でつまずくこともある。渋野日向子は4つ伸ばして入った最終18番(パー5)で、5mから3パットのボギーを叩いた。「追いつきたかったですけど、今日中に。自分が弱いなって思いながら回っていました」。西郷真央との3打差を追う週末に向けて、表情を引き締めた。

きょうはラッキーもあった
午前7時51分スタートの西郷が「66」をマークして通算8アンダー単独首位。「本当にナイスプレー」と称賛しつつ、午後0時41分に出た渋野も運を味方にじわじわと差を縮めていった。1番(パー5)で第3打を1mに寄せてバーディ発進を決めると、5番のセカンドショットは感触が悪かったが、「手を放して、真っすぐ行きました」と3m弱に乗せて2つ目のバーディ。後半10番も、「セカンドがすごいダフってしまった」とバンカーのフチで止まるピンチが来たが、3打目を直接入れてバーディに変えた。

ショットは「きのうより振れている」
10番からの3連続バーディで通算6アンダーまで伸ばすと、14番(パー5)でミスが出た。「ライも悪かったんですけど、本当に振りに行って、凡ミス」。フェアウェイから5Wを振り切った第2打が、トップしたような球が出て148ydしか飛ばなかった。ラフからの3打目もグリーンに届かず傾斜で手前まで戻って来たが、4打目で寄せてパーを拾った。最終18番(パー5)はフェアウェイからの第3打を5mに乗せながら、バーディパットを2m近くオーバーさせて3パットのボギーフィニッシュ。「最後の3パットだけは、どうしてもタッチを合わせられなかった」と悔やんだが、5バーディ、2ボギー「69」で通算5アンダー暫定2位につけた。

ことしも全米女子オープンで優勝争いへ
この2日間を「本当にラッキーの積み重ね」と評価するからこそ、週末に向けて気が抜けない。「あと2日間あるので、本当にどうなるかわからない。最下位に行くかもしれないし」。弱気に聞こえる言葉のチョイスは、同時に自分への期待を抑えるようにも聞こえた。2位に入った昨年に続いて、ことしも優勝を狙える位置で週末に入る。今季はまだトップ10がなく、米ツアーを1ケタの順位で終えたのは、昨年6月「全米女子プロ」(7位)までさかのぼる。「上で戦えることが少なすぎるので、あまりにも経験値が浅いもんだから、すごく気合を入れすぎちゃう、入れなきゃいけないですけど」。久々の優勝争いに向け、高揚感とプレッシャーを胸に気を引き締めた。(ウィスコンシン州エリン/谷口愛純)