「出られて良かった、ホンマに」 渋野日向子が6年目の全米女子で感じるメジャーの重み

今だから感じるメジャーの重み
◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 事前情報(27日)◇エリンヒルズ(ウィスコンシン州)◇6829yd(パー72)
ペンシルベニア州ランカスターCで行われた昨年、2位に入った渋野日向子は「良かった、出られる!」と胸をなでおろした。2019年の「AIG女子オープン」(全英女子)優勝によって得た5大メジャー出場権は昨年まで。トップ10に入ったことで25年の「全米女子オープン」出場を確定させたことを喜んだ。
「自分も出られて良かった、ホンマに。この試合に出られるのが当たり前じゃないと、つくづく思う」。今年で6年連続の全米女子。回を重ねるごとに、メジャーで戦うことの価値をひしひしと感じている。

この日はアウトコースを回った
2019年にスポットで初出場した全英女子で優勝。「見て頂けたらわかるけど、全然勢いが違う」と経験値が少ないからこそのアグレッシブさは、今は失ってしまったものだ。それを思い出させてくれるのが、今季優勝した竹田麗央、岩井千怜らルーキーの存在。「ゴルフもメンタリティも本当に勢いがある。自分が忘れているものを沢山持っていると思います」と刺激を受けている。一方で、経験を積んだからこそメジャーで戦えることの喜びは大きい。
昨年大会は笹生優花に3打届かず単独2位。そこまで出場した9試合のうち6試合で予選落ちと、試行錯誤を続ける中での優勝争いは確かな自信につながった。「(19年の全英は)本当に何も知らない状態。色々なものを知って、それから6年くらい経っている。それを知ったうえで勝つことが、どれだけ大きいことかっていうのはすごく思う」。優勝には届かなかったが、昨年最後まで食らいついた優勝争いは、全英Vと同じくらいの価値があったかもしれない。

バンカーが多いコースは今年も難しそう
自力でつかんだ6年目の全米女子は、「すごい楽しみな気持ちでいっぱいですけど、コースもすごく難しいので不安もあります」と話す。今季は米ツアー9試合を終えて予選落ちは2度だけだが、最上位は4月のメジャー初戦「シェブロン選手権」44位と上位争いに絡めていない。3週前の「みずほアメリカズ・オープン」(予選落ち)を終えて帰国し、そのまま箱根、茨城県のパワースポットもめぐってリフレッシュしてメジャーの舞台に入ってきた。
「東国三社(茨城)に行ってきました。神頼みでしかない」と笑ったが、「やっぱり、良い状態で臨みたい」と今週はパターをシーズン初戦で使っていた「ピン アンサー プロトタイプ」に戻すなど、「初心に帰って」と試行錯誤を続けながら調整を進めている。

6年連続で出場
「やっぱりプロとしてこの試合に出られることがすごくうれしい。今年もそれ(トップ10)を目指していきたい」。6年分の重さをかみしめながら大舞台に挑む。(ウィスコンシン州ハートフォード/谷口愛純)
<渋野日向子の全米女子オープン結果>
2024年 2位 ランカスターCC(ペンシルベニア州)
2023年 予選落ち ペブルビーチGL (カリフォルニア州)
2022年 予選落ち パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)
2021年 予選落ち オリンピッククラブレイクコース(カリフォルニア州)
2020年 4位 チャンピオンズGCサイプレスクリークコース(テキサス州)