レッドブルのホーナー代表、角田裕毅についてエディ・アーバインと話し合う「フェルスタッペンやシューマッハーのようにドライブできる人はごく僅かだ」

 レッドブルの角田裕毅は、F1イギリスGPの予選で12番手。チームがEブーストと呼ぶ電気エネルギー切れを起こしてしまい、予選パフォーマンスに影響が及んでしまったのだ。

 レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこの角田の予選結果について「不運だった」と語ると共に、苦戦が続く状況について、元F1ドライバーのエディ・アーバインと話し合ったことを明かした。

 角田は予選Q1を13番手で突破すると、Q2では2度目のアタックでもトップ10には及ばず、ここで敗退となった。

 角田はマシンのパフォーマンスには満足していたものの、マシンの不具合に見舞われてしまったことが敗退の原因だったと語る。

「非常にクリーンなラップでした。しかし正直に言うと、パワーを失っていました。アタックを開始して最終コーナーから加速していくところで、通常出力が上がっていくはずですが、それがありませんでした」

 角田はそう語った。

 ホーナー代表も、このトラブルの影響を認めた。

「彼は不運だった。彼はEブースト、つまり電力が尽きてしまったと言っていた。それで、コンマ1秒のロスがあった」

 そうホーナー代表は言う。

「全体としてすごく僅差の争いだったので、おそらくそれがQ3に進出する上での分かれ目だったのだろう。だから今週末の彼の走りは、今のところかなり良いと思っている」

 ただ角田のパフォーマンスは、チームメイトであるマックス・フェルスタッペンと差が大きいのも事実。ホーナー代表はこれについて、元F1ドライバーのアーバインと話をしたという。

 アーバインは全日本F3000に参戦していた1993年、日本GPでジョーダンからスポット参戦デビュー。いきなり入賞を果たすと、ルーベンス・バリチェロとのコンビで印象的な活躍を見せた。

 その活躍が評価され、1996年にフェラーリ入り。ミハエル・シューマッハーのチームメイトとなった。しかしその初戦こそ3位表彰台を手にしたものの徐々に低迷。シューマッハーが優勝を争う中、同年はランキング10位に終わった。

 その後もアーバインは1999年までフェラーリに在籍したものの、この間はシューマッハーの完全なセカンドドライバー扱い。在籍最終年にはシューマッハーが怪我で長期離脱となったため、代わってミカ・ハッキネン(マクラーレン)とタイトル争いを繰り広げたが、最終的には敗れた。

 アーバインは今の角田を見て、シューマッハーと組んでいた際の自身を思い出したと語ったという。

「我々はユウキをサポートするために、マックスとは少し異なるセットアップでマシンの性能を最大に引き出せるようにすべく、全く異なるアプローチを試みている」

「ちょうど、エディ・アーバインと話していたんだけど、今回のことは、彼が90年代半ばにフェラーリでミハエル・シューマッハーと組んでいた時に経験したことを彷彿するというような話しぶりだった」

「彼ら(シューマッハーやフェルスタッペン)のような偉大で並外れたドライバーは、非常にグリップが強いフロントエンドを軸に、マシンを操ることができる。それを実現できるドライバーは、ごくわずかだ」

「だからユウキに関しては、彼の気持ちを落ち着かせるために、別の方法取ろうとしているんだ」

 なお、オリバー・ベアマン(ハース)がグリッド降格ペナルティを受けるため、角田は11番手からイギリスGPの決勝レースをスタートすることになる。ここで苦境から抜け出すことができるのか、注目が集まる。

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