ウクライナ情報機関がロシア原潜の情報を入手

ロシアが誇る最新鋭の弾道ミサイル原子力潜水艦に関する機密情報をウクライナの情報機関が手に入れ、公開したようだ。潜水艦の設計図も含まれていたとされ、ウクライナおよび西側諸国にとっては大きな成果だと言える。

クニャージ・ポジャルスキー

ウクライナ国防省情報総局（GUR）のウェブサイトによれば、GURはロシアの新型潜水艦「K-555 クニャージ・ポジャルスキー」に関する情報を大量に入手したという。なお、この潜水艦はロシア軍が保有するボレイ型原子力潜水艦のひとつである。

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軍事情報サイト「Militarnyi」によれば、GURは同潜水艦の乗組員の氏名や階級、役割といった情報をつかんだほか、臨戦態勢における指揮系統や艦の設計についても詳細を把握しているという。

画像：Telegram @DIUkraine / Edited by The Daily Digest

具体的には、乗組員の配置や指揮系統、救難システムに関するデータ、重要性の高いエンジニアリング記録などだ。

画像：Telegram @DIUkraine / Edited by The Daily Digest

「Militarnyi」いわく、クニャージ・ポジャルスキーは2025年7月24日に就役したとされる最新のボレイA型原子力潜水艦であり、その機密情報を手に入れたというのはロシアに立ち向かう上で大きな意味を持つ。

ボレイA型はボレイ型に近代化を施したモデルであり、ステルス性やミサイル搭載量が向上している。なお、クニャージ・ポジャルスキーはロシア軍が保有するボレイ型潜水艦（ボレイA型を含む）としては7隻目だ。ウクライナ支援プラットフォーム「United24」が伝えている。

ボレイA型原子力潜水艦は弾道ミサイル「RSM-56 ブラヴァ」を16発搭載できるため、ロシア軍にとっては海洋における核抑止力の中核となっている。

クニャージ・ポジャルスキーが運用する16発の弾道ミサイルは核弾頭が搭載されており、複数の目標を同時に攻撃できるとのこと。もちろん、同潜水艦には核兵器以外の通常兵器も搭載されている。

「United24」によれば、この潜水艦は533ミリメートル魚雷発射管や対潜水艦ミサイル「RPK-2 ヴューガ」、対魚雷防衛システム「REPS-324 シュラグバウム」といった通常兵器を備えているとのこと。

画像：Wiki Commons By Alexander D. Hristov, CC0

同プラットフォームいわく、ボレイA級原子力潜水艦はNATOの防衛網をすり抜けるように設計されており、ウクライナがクニャージ・ポジャルスキーの機密情報を手に入れたことで、同国および西側諸国は戦略面で大きなアドバンテージを得たと見られる。

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