1周目に追突受けたフェルスタッペン、すぐに切り替えスパ24時間観戦「わざとあんな事する人はいないしね」

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1オーストリアGPを1周目のクラッシュで終えた。追突してきたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)については、単なるミスでわざとではないと語った。

 フェルスタッペンの5連覇に向けた望みは、チームのホームレースが散々な結果に終わったことで絶望的になった。ただでさえ、7番手と苦しい位置からのスタートだったが、オープニングラップのターン3でアントネッリとのクラッシュが起きたのだ。

 アントネッリはターン3のブレーキングでロックアップして減速しきれず、フェルスタッペンに追突。2台のダメージは大きく、両者がここでレースを終えることになった。

「(レースのスタートは)直近の3レースよりも改善できた。スタートにはあまり満足できていなかったんだ」

 フェルスタッペンはそう短いレースを振り返り、motorsport.comを含むメディアに、クラッシュについて説明した。

「その時点では、何が起きたのか分からなかったんだ。かなりのダメージを受けて、クルマを止めなくてはいけなかった」

「昨日は予選で少し運が悪かったし、今日はレースでも運が悪かった。でも週末全体を見れば、ペースの面では僕たちが望んでいた位置にいなかったのは事実だ。その点を分析し、来週はもう少しポジティブな週末にできるよう努力しなければならない」

 フェルスタッペンのクラッシュに対する反応は冷静であり、アントネッリの単純なミスだったと受け入れていた。

 マシンを降りたふたりは、言葉を交わしているシーンが国際映像に映ったが、それについてフェルスタッペンは「ただ、何が起きたのか尋ねただけだ」と明かした。

「彼が僕と一緒にいて、彼のマシンはホイールが外れていたからね。だから、おそらく彼が僕にヒットしたのだろうと思った。その後(ピットに)戻ってきて映像を見た。そういうことは起こるものだ」

「どんなドライバーもああいうミスを犯す。キャリアの中で誰もがそれを経験するんだ。キミは素晴らしい才能の持ち主だ。彼はそこから学べば、それでいいんだ」

「もちろん、彼と話せたのはとても良いことだけど、僕にとっては解決済みだった。何が起きたか見たし、誰も故意にそんなことをするわけじゃない。起こり得ることなんだ」

 フェルスタッペンはこれで、ポイントリーダーのオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とのポイント差が61点まで開いたが、フェルスタッペンはタイトル争いのことは考えていないと付け加えた。

「そもそもそんなことは考えていなかった。だから、レースごとに臨み、クルマのパフォーマンス向上に努める。やっていることから学び、その後どうなるか見ていくだけだ」

#33 Verstappen.com Racing / 2 Seas Motorsport Aston Martin Vantage AMR GT3 EVO: Harry King, Chris Lulham, Thierry Vermeulen

Photo by: Eric Le Galliot

 実際、フェルスタッペンの切り替えは早かった。早々にレースを終えた彼は、ピットウォールやガレージでF1のレースを見守るのではなく、代わりに同週末に行なわれていたスパ24時間レースを観戦することにしたのだ。

「正直なところ、レースはあまり観ていなかった。スパの24時間レースを観戦していたんだ」と、彼はメディアに語った。

 フェルスタッペンが立ち上げたVerstappen.com Racingは、今回のスパ24時間レースのゴールドカップクラスにエントリー。クリス・ラルハム、ハリー・キング、ティエリー・フェルミューレンを擁し、アストンマーティン・バンテージAMR GT3 Evoを走らせた。

 結果として総合9位、クラス優勝を果たしたものの、チェッカーフラッグの直前にチームがトラックリミット違反で警告を受けたため、フェルスタッペンは神経をすり減らしていたという。

「初めての挑戦で、総合9位、そしてもちろんクラス優勝を果たせたことは、僕たちにとって非常に誇らしいことだと思う」

関連ニュース:アントネッリ、フェルスタッペンとの接触により次戦3グリッド降格。本人も全面的に非を認めるレッドブルのホーナー代表&マルコ博士、苦戦続く角田裕毅について言及「ユウキを助け、自信を取り戻せるかどうか見守っていく」レッドブル地元戦で最下位の角田裕毅、コラピント撃墜の非を認める。より深刻なのはレースペース不足か「タイヤが溶けているみたい」

スタンプキャンペーン

Follow @MotorsportJP