ラッセル首位も、驚きは”ルーキー枠”のダン! いきなり4番手タイムをマーク。角田裕毅は17番手|F1オーストリアGP フリー走行1回目詳報

 F1第11戦オーストリアGPのフリー走行が行なわれ、メルセデスのジョージ・ラッセルがトップタイムをマークした。ルーキードライバー枠でFP1のみ出走したアレクサンダー・ダン(マクラーレン)は、驚異的な4番手タイムを記録した。

 レッドブルのお膝元、レッドブルリンクで始まったオーストリアGP。フリー走行1回目は、気温23度、路面温度41度というコンディションでスタートした。

 なおマクラーレンのランド・ノリスに代わってダンが、フェラーリのシャルル・ルクレールに代わってディノ・ベガノビッチがこのセッションに出走。この2チームは、シーズン中に義務付けられているルーキードライバー起用枠のひとつを消化した格好だ。また今回のグランプリに持ち込まれているタイヤは、ソフト=C5、ミディアム=C4、ハード=C3という組み合わせである。

 セッションが開始されると、各車がミディアムもしくはハードタイヤを履いてコースイン。ダンだけがソフトタイヤを履いた。

 まずトップに立ったのは、ハードタイヤを履くラッセルで、タイム1分7秒140。これをアストンマーティン勢の2台が上回って見せたが、ラッセルはさらにタイムを更新して1分6秒537、1分6秒139と伸ばしていった。高校を卒業したばかりのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がこれに続いた。

 レッドブル陣営はマックス・フェルスタッペンにミディアム、角田裕毅にハードを履かせた。フェルスタッペンはセッション序盤、メルセデスの2台に次ぐ3番手。角田はフェルスタッペンから0.3秒遅れであった。

 ウイリアムズのカルロス・サインツJr.は、ミディアムタイヤでメルセデス勢の間に分け入った。

 いち早く2セット目のタイヤを投入してアタックしたのはメルセデス勢。ふたり揃ってソフトタイヤを履き、ラッセルは1分5秒542までトップタイムを更新。アントネッリはサインツJr.に届かなかった。ザウバーのガブリエル・ボルトレトは、サインツJr.を上回る2番手タイムをソフトタイヤで記録してみせた。

 セッション折り返しを迎えると、その他のマシンも続々とソフトタイヤを投入。そんな中、アタックラップに入ろうとしたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)が最終コーナーでスピン。「最悪のアウトラップだった。FP1でよかったよ」と語った。

 そのほぼ同じタイミングで角田はソフトタイヤでのアタックを開始し、セクター1で全体ベストタイムを記録。しかし、セクター2とセクター3のタイムをまとめられず、大きくポジションを上げられなかった。一方でフェルスタッペンは、ラッセルに次ぐ2番手となった。

 驚きだったのはダンである。ダンはセッション終盤に、序盤に履いたソフトタイヤを改めて履くと、チームメイトのオスカー・ピアストリ(3番手)と遜色ないタイムを記録して4番手。ルーキー枠として出走したドライバーとしては前例のないような走りを見せた。

 セッション終盤には、弱い雨がサーキットに降ったようで、そう報告するドライバーも多かった。しかし雨脚が強まることはなかった。

 その後各車はユーズドのタイヤを履いて連続周回。ロングランのフィーリングを確かめた。

 結局ラッセルがトップタイム。1分5秒542だった。以下フェルスタッペン、ピアストリ、そしてダンと続いた。角田は結局、首位ラッセルから0.7秒遅れの17番手。フェラーリのルイス・ハミルトンは、セッション序盤にはギヤボックスのトラブルに見舞われたようだが、17周を走ることができて9番手となった。

 1周の距離が短いとはいえ、首位ラッセルから最下位のオリバー・ベアマン(ハース)までの差は1.196秒と僅差であった。

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