ボクシング 井上尚弥、9・14「最大の強敵」アフマダリエフ戦へ、コンディションは「過去イチ。KOにこだわらず、しっかりと勝つことだけを目的に」

公開練習でミット打ちを披露する井上(右)。調子は今回も「過去イチ」だ(撮影・今野顕)
プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32)=大橋=が2日、横浜市の大橋ジムで練習を公開。WBA暫定王者のムロジョン・アフマダリエフ(30)=ウズベキスタン=と闘う防衛戦(14日、愛知・IGアリーナ)での必勝を誓った。充実のスパーリングをこなして手応え十分。男子史上最多記録を更新する5度目の4団体王座同時防衛と、世界戦26連勝の史上最多タイ記録を狙う。
井上は「キャリア最大の強敵」と大いに警戒する2016年リオデジャネイロ五輪銅メダリストで元WBA、IBF統一王者アフマダリエフとの防衛戦を約2週間後に控え、試合内容よりも勝利にこだわる意向を示した。
「『どんな勝ち方でも必ず勝ちを手にする』という気持ち。KOにこだわらず、しっかりと勝つことだけを目的として試合を進めていきたい」
シャドーボクシングとミット打ちをともに軽めに各1ラウンド披露。手の内を隠したが、状態について「これ毎度言ってるんですけど、過去一(番)。聞き飽きたかもしれないですけど」とニヤリ。仕上がりの良さをうかがわせた。
練習相手に元世界2階級制覇王者のマーロン・タパレス(33)=フィリピン=と、帝拳ジム所属の4人の地域王者を起用。8月4日と7日には東京都新宿区の帝拳ジムへ、2012年のプロデビュー後では初めて出稽古にも行った。タイプの違う全員が世界ランカーでもあり、「それぞれアフマダリエフに当てはまるスタイルを持った選手。今までのスパーリングとは違うかな」と手応えは十分だ。
名古屋決戦に勝てば、男子最多記録を更新する5度目の4団体王座同時防衛となり、世界戦26連勝はジョー・ルイスとフロイド・メイウェザー(ともに米国)が持つ世界戦連勝記録に並ぶ。その後は12月27日にサウジアラビアで防衛戦を行い、来年5月に東京ドームで世界3階級制覇王者の中谷潤人(27)=M・T=と闘う計画。「着々とその日(中谷戦)に向けて進んできている。あと2戦、しっかりとやり過ごさないと」とドリームマッチの実現を見据えた。(尾﨑陽介)

ムロジョン・アフマダリエフ
◆父の井上真吾トレーナー「(調整は)今回も最高だった。けがも本当になかったので、最高な練習はできた。スパーリングは今週やって120(ラウンド)ぐらいになる」
★チケット1万7000枚が即完売
井上はIGアリーナの観戦チケット約1万7000枚が即完売したことについて「うれしい。アフマダリエフが相手ということもあって、注目度もすごく高いと思うし、なんといっても日曜開催」と3連休の真ん中という好条件を最大の要因に挙げた。最近の日本開催の世界戦は試合会場不足の影響から平日に行われることが多かった。また、大橋ジムの大橋秀行会長は観戦チケットが高額転売されていることについて、1日に法的措置に踏み切ったことを明らかにした。

写真撮影に応じる(左から)井上真吾トレーナー、井上尚弥、大橋秀行会長(撮影・今野顕)