バニャイヤの苦戦、ドゥカティの大胆アプローチで問題解決? 「やっと”自分のバイク“に乗れた」
ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤは苦しい戦いがこれまで続いてきたが、チームが講じた変更策によって、ついに解決策を掴みつつあるようだ。
2022年、2023年のMotoGP王者であるバニャイヤ。今年はタイトル奪還を目指していたが、最新型のGP25のフィーリングが彼にマッチせず、ライバルに後れをとってしまうレースが続いた。
しかし第14戦ハンガリーGPで、ついに解決の糸口を掴めたようだ。バニャイヤはレースこそ9位で終えたものの、ドゥカティが施したマシンセットアップの変更によって、悩みのタネとなっていたブレーキングの問題にポジティブな変化があったという。
「バイクをこうやって大きく変えると、自分としても大きな違いを感じられる」とバニャイヤは言う。
「2センチメートルにも満たない変更だけど、何かを変えるには正しい方向だったと思う。僕は今シーズンを通じて、すごく調子が悪かったからね」
「全く異なることを試してみたら、やっと”自分のバイク“に乗れたんだ。だからハッピーだ」
「大きく変わったよ。ストレートでのブレーキングは似たようなものだけど、コーナーエントリーの部分で大きく違うんだ」
「バイクをバンクさせた状態で減速していくことができるんだ。今シーズンを通じて、これは前のバイクに追随している中ではなかなか難しかったことなんだ。スリップストリームは助けにならないし、バンクさせた状態での減速が上手くいかないと、もうダメなんだ。それが僕の問題だった」
「そしてハンガリーでの僕らの試みは、その助けになったんだ」

Francesco Bagnaia, Ducati Team
バニャイヤはハンガリーGPでのセットアップ変更がドゥカティ主導によるモノだったと明かし、今が自身にとっての「シーズン開幕」の時だと語った。
「チームがやってくれたんだ」
「(クルーチーフの)クリスチャンが僕とエンジニアに伝えてきたんだ。考えにはあったし、この方向性は他の機会に試してもいたけど、ここまで過激じゃなかった」
「間を取ったアプローチだったんだ。そういうのは上手く行かないと過去の経験から学んできた。だからこそ、大きくやってみるほうがいいし、最終的に上手くいったんだ」
最近の不振を考えれば、これは苦肉の策だったのではないかとバニャイヤは問われたが、彼は「苦肉の策はいつでも大きな違いを生む可能性があるんだ」と答えた。
なおバニャイヤは6月のアラゴンテストでも楽観的な様子を見せていたが、結局はまた苦戦していた。しかし今回の吉兆は、確かな自信があるという。
「単独走行では常に満足できていたし、競争力もあったんだ。毎週、金曜や土曜朝を見てみれば、僕は常に力があった」
「その後の予選では速くても、何らかの理由で自分の望んでいるようなスピードは出ていなかった」
「そしてレースでは、他のライダーの後ろを走らないといけなくて、悪夢が続いていた。今回はスプリントと決勝の両方で他のライダーの後ろを走ったけど、初めて接近して、そしてオーバーテイクすることができた。素晴らしいよ」
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