姉妹チームと戦ってる場合じゃねぇ! フェルスタッペン、レッドブルF1のペース不足に喝「単純にマシンが遅い」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1オランダGPでレッドブルとレーシングブルズが直接対決を繰り広げたという状況について「あってはならないことだ」と断言した。
オランダGP決勝では、フェルスタッペンとレーシングブルズのアイザック・ハジャーがレース大半を通してマクラーレン勢に次ぐ3番手、4番手を走行。マクラーレンのランド・ノリスが終盤にマシントラブルでリタイアを喫したため、レッドブル傘下の2チームが共に表彰台に立った。
「もちろん表彰台を獲得できたのは嬉しいけど、スピードの面では良くなかった」
フェルスタッペンはオランダのF1放送局Viaplayにそう語った。
「レースで3位だったのは純粋に予選結果のおかげだと思う。スピードの面ではなかった」
マクラーレンが硬めのコンパウンドを選んだ一方、フェルスタッペンは最終スティントでソフトタイヤを選択した。しかしフェルスタッペン自身の最速レースラップタイムは優勝したマクラーレンのオスカー・ピアストリから0.650秒落ちであり、「マクラーレンは別次元」「自分とは比べ物にならない」と嘆いた。
フェルスタッペンはスタート直後にノリスから一時的に2番手を奪取したが、ポジションを奪い返されてからは終始ハジャーにマークされ、アンダーグリーンで両者の差は3秒を超えなかった。レッドブルの姉妹チームであるレーシングブルズを振り切れない。フェルスタッペンが抱えるパフォーマンス不足への懸念にはそれが関係している。
「レース全体を通して、純粋なペースだけで姉妹チームと戦っていたようなものだ」とフェルスタッペンは言う。
「そんなことがあってはならない」

Max Verstappen, Red Bull Racing, Isack Hadjar, Racing Bulls
「全くもって良くない状況だ。でもある意味、僕らのマシンにそういう問題があることは承知している」
レッドブルは2025年マシンRB21のセットアップのスイートスポットが狭いことから、真のポテンシャルを引き出すことに苦労している。オランダGPでは初日の時点でハードタイヤが「本当にひどい感触」だったことから、レースではライバルとは異なるタイヤ戦略を取った。
「メカニカルグリップが全くなかった」とフェルスタッペンは説明した。
「でも僕ら以外は全員、あのタイヤ(ハードタイヤ)で走ることができる。これは何かが明らかに間違っているという証拠だ。だからソフトとミディアムを選んだ。僕らが苦戦していた低速コーナーで、これらのタイヤなら多少のメカニカルグリップを与えてくれる」
「マシン自体が単純に速くない。高速コーナーでもかなりペースを落とさざるを得なかった。ターン7とターン8を他車よりはるかに速く通過できるのに、僕にはグリップが全くない状況だ。もちろん予選では1周のペースが良かったけど、今年はレースでのマシン性能が単純に足りない」
フェルスタッペンとレッドブルは2020年以来の無冠でシーズンを終えると見られる。一方でレーシングブルズは既に60ポイントを獲得し、2021年以来の好調ぶりを見せている。
レーシングブルズがアルファタウリと呼ばれていた2021年には、現在はアルピーヌに所属するピエール・ガスリーが18回の予選Q3進出、12回のトップ7フィニッシュという驚異的な成績を残し、チームの142ポイントのうち大半を稼ぎ上げた。しかし当時のレッドブルはタイトル争いの真っ只中にあり、レッドブル傘下の2チームが今年のようにコース上で競い合う状況ではなかった。
レッドブルの苦戦はフェルスタッペンのチームメイトに追い打ちをかけ、誰がドライブしようとも苦労を強いられるという状況だ。現在の角田裕毅はオランダGPで久しぶりの入賞を手にしたものの、ハジャーからは常に1秒遅いラップタイムを記録。DRSトレインから抜け出せなかったことも不利に働いた。
Additional reporting by Ronald Vording
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