リーグ屈指の即戦力加入で優勝へ加速…ミリングHC体制2季目の群馬「再びチャンピオンシップを」
リーグ屈指の即戦力加入で優勝へ加速…ミリングHC体制2季目の群馬「再びチャンピオンシップを」
◆■ミリングHC「次のステップへ」
群馬クレインサンダーズは8月30日、オープンハウスアリーナ太田で公開入団会見を実施。同日に行われた秋田ノーザンハピネッツとのプレシーズンマッチ開催前に、カイル・ミリングヘッドコーチや新加入選手などがファンの前に姿を見せた。
昨シーズンの群馬は、2023-24シーズンに広島ドラゴンフライズを初のリーグ制覇へ導いたミリングHCを新指揮官に招へい。新体制ながら初のチャンピオンシップ出場を果たしてクラブの歴史を塗り替えた。
就任2年目を迎える名将は、「昨シーズンは成功した1年といえるシーズンになりました。しかし、シーズンが終わった次の日から、スタッフ陣はどうしたらもっといい結果を残せるかを考えていました」と話し、開幕へ向け抱負を述べた。
「今シーズンは新しい選手も加入して、現在は次のステップに進めるように全員が努力しています。今、チームが目指しているところは10月4日の開幕戦です。そこに向けてしっかり準備をして、再びチャンピオンシップを目指したいと思います」
◆■新戦力4人が入団の抱負
「成長したい」と口にした中村[写真]=群馬クレインサンダーズ
会見に登壇した新入団選手はエージェー・エドゥを除く4名。広島から加入した中村拓人とケリー・ブラックシアー・ジュニア、経験豊富なビッグマンの谷口大智、自身初のB1に挑む佐藤誠人が移籍の決め手、新シーズンにかける思いなどを語った。
「昨シーズンの群馬を見ていて、すごく上り調子で勢いのあるチームだなと感じていました。そういったチームでプレーしたいと思いましたし、チームからも必要としてくれる熱意がすごく伝わったことも決め手となりました。個性的なメンバーが多いですが、1つにまとまったときの破壊力はすごいと思いますし、スローガンの『PLAY CRAZY』のように狂いながらも勢いのあるチームで、てっぺんまで登りたいと思います」(谷口)
「加入した決め手は、やはりカイルHCのもとで成長したいと強く思ったからです。自分自身、覚悟を持って取り組んでいきたいと思っていますし、皆さんと一緒に戦って優勝したいです。僕の強みは、まずディフェンスです。ミスマッチでも外国籍選手に対して体を張って守ることが持ち味の1つと思っているので、そういったプレーで皆さんを熱くしたいなと思います」(中村)
「群馬を選んだ理由は2つあります。1つ目はアリーナの雰囲気が本当に最高で、ここでプレーしたいと思ったことです。もう1つは、外から見ていても群馬はすごく成長しているなと感じていましたし、本当にいい選手、コーチ陣が集まったので、このチームでプレーしたいと強く思ったからです」(ブラックシアー)
攻守両面でチームを支える活躍が期待されるブラックシアー[写真]=群馬クレインサンダーズ
「自分としては(B3から)カテゴリーアップして様々なことが初めての経験になります。何事も今後の人生の糧だと思いながら、全部吸収して成長できるようにがんばります。自分の強みは身体能力を生かしたアグレッシブなプレーだと思っています。ダンクシュートだけではなくディフェンスでもハードワークをして、泥臭いプレーでもチームの底上げできるようにしたいです」(佐藤)
◆■補強方針と選手評価を語る
吉田真太郎ゼネラルマネージャーはチームの基盤となる要素を、「引き続きディフェンス、リバウンド、3ポイントシュートの3つです」と説明。リーグ制覇を目指すにあたっては「アスレティックプレーヤー」「ストレッチビッグマン」「ハンドラー」を強化方針に掲げ、この3点のいずれか、またはすべてを備える選手を補強ポイントに挙げたと明かした。
「中村選手は日本トップクラスのハンドラーです。冷静なゲームコントロール、高い強度でのディフェンス、そして勝負どころでも得点力を兼ね備えた、まさにBリーグにおいても理想的なポイントガードです」
「ブラックシアー選手はバスケットボールIQ、リバウンド力、ディフェンス力の高さに加え、アウトサイドやハンドラーもこなすビッグマンです。補強ポイントのすべてを体現する、今シーズンの絶対的存在でございます」
「佐藤選手は恵まれた身体能力を生かしたダイナミックなプレーが魅力のアスレティックプレーヤーです。特に力強いダンクシュートは日本人ナンバーワンと言っても過言ではなく、このオプアリを熱狂させ、チームに勢いをもたらしてくれると思っています」
キャリア初のB1挑戦となる佐藤[写真]=群馬クレインサンダーズ
「AJ(エドゥ)選手は、並外れた運動量と闘志を武器にチームにエネルギーをもたらすアスレチックなビッグマンです。我々のディフェンスとリバウンドの強化に直結する大きな補強でございます」
「谷口選手は昨シーズン、3ポイント成功率が52.6パーセントを記録したストレッチビッグマンです。3ポイントの強化に加え、彼の人間性は我々がチャンピオンを目指すうえで欠かせない存在だと思っております」
◆■主将続投の辻直人が宣言
会見では、今季のキャプテンを辻直人が務め、藤井祐眞とヨハネス・ティーマンが副キャプテンに決定したことも発表された。
2シーズン連続で主将を担う辻は、秋田とのプレシーズンマッチ後に新加入選手について言及。中村とブラックシアーは広島在籍時のチームメート、谷口は洛南高校時代の後輩ということもあり、「見たことある選手たちばかり」とアリーナの空気を和ませ、「でも、みんなアジャストする能力が高い選手です。(相手に)どういうプレーをされても対応できる選手がそろっているので、昨シーズンよりも高い目標を持って戦いたいと思います。長い長いシーズンですが、みなさん一緒に戦ってください」と力強く宣言した。
プレー以外での貢献も期待される経験豊富な谷口[写真]=群馬クレインサンダーズ
過去最高の1年を経て、狙うは「優勝」のみ。今シーズンもオプアリから熱狂を巻き起こし、再びクラブ史を塗り替える。
文=小沼克年
【動画】“絶対的存在”ブラックシアーの群馬戦プレーハイライト映像
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