“ご意見番”ビルヌーブの毒舌止まらず。トップチームで苦しむ若手に「F1は彼にとって重荷過ぎたのでは?」と批判
1997年のF1世界チャンピオンであり、現在はF1解説も務めるジャック・ビルヌーブは、オランダGPでペナルティ2回と荒れた新人アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を厳しく批判した。
レース中アントネッリは、ピットアウトしてきたフェラーリのシャルル・ルクレールと接触してクラッシュに追い込んだとして10秒のタイムペナルティとペナルティポイント2点を科された。アントネッリはまた、マシンをピットまで戻してレース続行ができたものの、ピットレーンでの速度超過によって、さらに5秒のタイムペナルティが科された。
「12号車(アントネッリ)はターン3で16号車(ルクレール)の内側からのオーバーテイクを試み、アンダーステアを引き起こして16号車の側面に接触した。これにより16号車は重大な損傷を受けてリタイアを喫した」
レーススチュワードはアントネッリとルクレールの一件についてそう説明した。
「接触の全面的な責任もしくは主な責任が12号車にあることは明らかだ。それに伴い12号車に10秒のタイムペナルティを科す」
フェラーリへと移っていった7度のF1世界チャンピオン、ルイス・ハミルトンの後任としてトップチームの一角メルセデスからF1デビューを果たしたアントネッリ。前評判通り、マイアミGPのスプリント予選で最速タイムを記録したり、カナダGPではF1初表彰台を獲得したりするなどのハイライトを残してきた。
しかし経験豊富なチームメイトであるジョージ・ラッセルを前に、アントネッリは安定した成績を収めることができず。サマーブレイク明けもその傾向が続き、オランダGPではフリー走行1回目でコースオフを喫してグラベルトラップに捕まったことで走行時間を失い、予選ではQ3に駒を進めることができなかった。
ビルヌーブは予選後アントネッリについて、F1は「学校ではない」として、準備不足や成長スピードの遅さを指摘。決勝後もそうした評価は変わらなかった。
「非常にお粗末だ。経験不足のドライバー、F4やF3で見られるような全く計算されていない動きだ」
ビルヌーブはSky Sports F1にそう語った。

Andrea Kimi Antonelli, Mercedes
「F1ではミスもするし、攻めすぎて限界を迎えてしまうこともある。しかし今回はそうですらない。単に計算ミスだ。あの動きをするべきではなかった。しかも彼はカッとなって速度制限まで超えてしまった。おそらくF1は彼には荷が重いのだろう」
アントネッリが19歳になったばかりの若者であることを指摘されると、ビルヌーブは即座にこう切り返した。
「いや、彼はF1にいるんだ。マックス(フェルスタッペン/レッドブル)がF1に来た時は何歳だった? ルイスは何歳だった? 全く同じだ。言い訳にはならないよ」
そしてビルヌーブはこう続けた。
「コーナー手前でどれだけ後ろにいたのかを見てほしい。2台分の差があった。一体全体どうしてあのラインでいけると思ったんだ? こんなふうにイン側に切り込むのは、このコースでは絶対に成立しないと誰もが知っている」
「だから本当に必要なのは、マックスのように相手ドライバーのすぐ横に並ぶことだ。彼はアウト側でギヤを上げ、ギリギリでラインをキープした」
「彼の位置からは完全な計算ミスだ。F1ドライバーとして、もっと賢明な判断が求められるはずだ」
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