ウクライナの砲兵部隊が敵の長距離砲3門を破壊
長距離砲を撃破したウクライナ軍

ウクライナ軍の砲兵部隊がロシア軍の長距離砲3門を撃破したようだ。その様子をとらえた動画はウクライナ軍南部作戦管区によって、Telegram上で公開された。
第44独立砲兵旅団

ウクライナの軍事ニュースサイト「Defense Express」は今回の作戦について、ウクライナ軍第44独立砲兵旅団が攻撃用ドローンと大砲を用いて実施したと報じている。
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標的となったカノン砲および榴弾砲

同メディアいわく、この作戦は7月28日に行われたもので、ロシア軍のカノン砲「2A36 ギアツィント-B」1門および榴弾砲「2A65 ムスタ-B」2門が標的となった。なお、これらのシステムはどちらも長距離砲撃が可能だ。
画像:Telegram @SJTF_Odes
「2A36 ギアツィント-B」

「2A36 ギアツィント-B」は1960年代に開発された牽引式の152ミリメートルカノン砲で、1976年に配備され始めた。
画像:Wiki Commons By Vitaly V. Kuzmin, CC BY-SA 4.0
「2A65 ムスタ-B」

一方、「2A65 ムスタ-B」もソ連時代に開発された牽引式の152ミリメートル榴弾砲だが、「2A36 ギアツィント-B」よりも新しく、軍事情報サイト「Military Factory」によれば、1987年に配備され始めたという。
画像:Wiki Commons By Mil.ru, CC BY 4.0
依然として脅威

「Defense Express」いわく:「ロシア軍はこれらソ連時代のシステムをウクライナの防衛線や民間インフラを砲撃するためにたびたび使用しており、依然として脅威だ」
3門とも撃破

ウクライナ軍第44独立砲兵旅団は偵察用ドローンで標的を確認した後、ドローン攻撃および精密砲撃を開始。「Defense Express」によれば、ターゲットとなったシステムは3門とも撃破されたという。
攻撃用ドローンが突入

動画には、攻撃用ドローンが木々の間に隠されていた「2A36 ギアツィント-B」に接近し、目標付近に突入・自爆する様子が映っていた。
画像:Telegram @SJTF_Odes
2度目のドローン攻撃

さらに、動画には2度目のドローン攻撃と思しきシーンも含まれていた。こちらは別のアングルから撮影されており、ウクライナ軍の攻撃用ドローンは砲身に直撃した。
画像:Telegram @SJTF_Odes
炎上したカノン砲

その後、偵察用ドローンはターゲットにズームインし、「2A36 ギアツィント-B」が炎上しているしている様子が映し出された。このカノン砲は深刻なダメージを受けたか、完全に破壊されたと見て間違いないだろう。
画像:Telegram @SJTF_Odes
「2A65 ムスタ-B」に対する攻撃

一方、別のクリップには、並木に隠れた「2A65 ムスタ-B」が第44独立砲兵旅団に攻撃される様子がとらえられていた。
画像:Telegram @SJTF_Odes
確実に破壊されたかどうかは不明

1つ目の「2A65 ムスタ-B」は砲撃によって破壊されたものと見られる。ただし、「2A36 ギアツィント-B」とは異なり、確実に撃破されたかどうかは不明だ。
画像:Telegram @SJTF_Odes
2つ目の「2A65 ムスタ-B」

さらに2つ目の「2A65 ムスタ-B」も砲撃の的になったらしく、大爆発が巻き起こっている。
画像:Telegram @SJTF_Odes
撃破されたのは確実

2つ目の「2A65 ムスタ-B」は映像からも破壊されたことが確認されている。上空から見張っていた偵察用ドローンが榴弾砲の炎上をとらえていたのだ。
画像:Telegram @SJTF_Odes
高まるウクライナ軍の適応力

「Defense Express」いわく:「今回の攻撃手法は、現代的なドローン運用と従来的な砲兵戦術を統合するウクライナ軍のスキルが高まっていることを示すものだ。この能力は砲兵の数で優位に立つロシアに対抗する上で重要だ」
画像:Telegram @SJTF_Odes
ロシア軍は敵地制圧能力が低下

さらに、同サイトはカ長距離砲が撃破されたことにより、一帯におけるロシア軍の敵陣制圧能力は低下し、最前線のウクライナ部隊には救援がかけつける可能性が高まったとした。
破壊された輸送車両

また、ロシア軍は今回の攻撃によって輸送車両を少なくとも1両失った。このことは第44独立砲兵旅団が公開した動画からも確認されている。
画像:Telegram @SJTF_Odes