捕虜となった元イギリス兵語る旧日本軍の暴行の実態 戦後80年

戦後80年となる今年、日本テレビでは「いまを、戦前にさせない」をテーマに特集をお伝えしています。イギリスで日本に勝利したことを記念する式典が行われました。旧日本軍の捕虜となったイギリス兵の1人が当時受けた暴行の実態を語っていました。

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イギリス各地で開かれた第二次世界大戦での日本への勝利を記念する式典。

この日、慰霊碑に花を手向けていたのは、ジル・ジョーンズさん。15年前に亡くなった父のアーサー・ティザリントンさんはシンガポールで戦っていた際、旧日本軍の捕虜となりました。

アーサーさんはその後、台湾の収容所に送られそこで3年間を過ごしました。

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まともな食事も与えられず虐待も横行していた捕虜収容所。

そこで受けた暴行について、アーサーさんは30年前、日本テレビに語っていました。

元イギリス兵 アーサー・ティザリントンさん(1995年)

「『昭和天皇にお辞儀をせよ』と言われ、イギリス人としてそれを拒否すると、銃で顔を殴られました。そしてまたお辞儀をするように言うのです」

「お辞儀をしなかったので歯を折られました」

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元イギリス兵 アーサー・ティザリントンさん(1995年)

「どんな実態だったのか日本人にちゃんと伝わってるだろうか? 分かってもらわなきゃいけないんだ」

「私は本当に日本人を憎んでなんかいません。憎めないんです。憎しみは結局のところ憎む者自身を壊してしまうのです。その責任を負うべき人たちや政府のことは私は忘れることはありませんし、 許すこともしません」

この日、アーサーさんの墓を訪れた娘のジョーンズさん。

墓には、父が日本政府に求めていた謝罪という言葉が刻まれています。

ジョーンズさんは幼かった頃、苦しむ父の姿を何度も見てきました。

ジル・ジョーンズさん

「(戦時中の病が再発した時)父は意識がもうろうとし、汗だくになって悲鳴を上げ、経験した数々の恐怖をまるで再び体験しているかのようでした。父は帰ってきましたが、苦しんでいました。ずっと苦しみ続けました。本当の意味で勝つことなどなかったのです」

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ジル・ジョーンズさん

「戦争に勝者はいないのです」