「トランプに嫌われ者同士」?血で染まった国境から5年…インド・中国が国境貿易と直行便再開で急接近!
インドと中国が、5年間停止していた国境貿易と直行便を再開することで合意に向かう動きを見せた。2020年にヒマラヤの国境地帯で発生した流血衝突以降、冷え込んでいた両国関係に転換点が訪れた。
中国の王毅外相がインドを訪問した際、国境線の早期合意を目指す専門家グループの設置が決定され、関係改善への機運が最高潮に達した。米国のドナルド・トランプ大統領が仕掛けた貿易戦争の圧力が「アジアの二大宿敵」を戦術的に近づけたとの見方もある。

出典:聯合ニュース
19日(現地時間)、王外相はインド・ニューデリーを訪れ、インドのスブラマニヤム・ジャイシャンカル外相やアジト・ドバル国家安全保障顧問と次々に会談を行った。インドのナレンドラ・モディ首相への表敬訪問の際、王外相は習近平中国国家主席の親書を手渡し、両国関係が協力に向けた「前向きな傾向」にあると述べた。モディ首相もSNS「X(旧Twitter)」を通じて、「習主席との会談以降、両国関係は互いの利益と感受性を尊重しつつ着実に進展している」とコメントした。
今回の会談で、両国は国境問題解決のための具体的な青写真で合意に達した。2012年に設立された既存の「インド・中国国境問題に関する協議と調整のための作業メカニズム(WMCC)」の下に新たに専門家グループを設置し、国境地域の境界画定で早期に成果を上げる方策を模索することになった。また、国境管理改善のための実務グループと、東部・中部地域を担当する新たな将軍級軍事チャンネルの設置についても意見が一致した。
2020年6月、ヒマラヤのガルワン渓谷で発生した流血衝突で、インド軍20名、中国軍4名が死亡し、関係が最悪の状況に陥っていたことを考えれば、これは劇的な転換といえると英紙ガーディアンも評価している。

出典:聯合ニュース
モディ首相は今月31日、中国・天津で開催される上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する予定で、2018年以来7年ぶりの訪中となる。数年間続いた対立を考慮すれば、これは異例の行動と言える。会談の中で王外相は、両国がお互いを「敵や脅威」と見るのではなく、「パートナーや機会」として認識すべきだと強調した。
ジャイシャンカル外相も「困難な時期を経て、両国関係は前進しようとしている」と述べた。ドバル国家安全保障顧問は、「国境は静かで、平和と静寂が保たれていた。両国関係はより実質的なものになった」と話し、前向きな雰囲気を伝えた。
両国関係の急速な進展の背景には、トランプ大統領が主導する強力な貿易圧力がある。トランプ政権は、インドがロシア産原油を大量に購入しているなどの理由から、輸入品に対する関税を50%まで引き上げる可能性があると警告している。中国もまた、長期にわたる米国との貿易戦争の相手である。
王外相は、ジャイシャンカル外相との会談の中で「一方的な嫌がらせ(unilateral bullying)」に対抗する必要性を強調し、米国に対して暗に批判を加えた。さらに、ホワイトハウスのピーター・ナヴァ貿易・製造業担当上級顧問が、インドが「ロシアと中国の両方に親密に接近している」と非難した寄稿文も、両国を刺激する要因になっている。

出典:聯合ニュース
CNNは「トランプ大統領の貿易戦争が予期せぬ結果をもたらし、インドと中国を慎重ながらも戦術的な抱擁へと導いている」と分析している。両国関係の緊張緩和は、昨年10月にモディ首相と習主席がロシア・カザンで会談し、国境地域での巡回協定で合意に達したことに端を発している。その後、中国がインドの巡礼者によるチベット訪問を認め、インドが中国人への観光ビザ発給を再開するなど、融和的な措置が続いている。
しかし、年間貿易規模が1,300億ドル(約19兆1,764億円)に達するにもかかわらず、長年にわたる国境紛争やパキスタン問題など、根深い戦略的不信感は依然として存在している。このため、今回の合意は、一時的に「共通の敵」に対抗するための「便宜的な結婚(marriage of convenience)」に過ぎないとの指摘もある。
オブザーバー研究財団(ORF)の副所長であるハルシュ・V・パント氏(Harsh V. Pant)は、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し「両国関係には内在的な緊張が存在する。今後の鍵は、彼らが前向きな部分を基盤として新たな関係を構築できるかどうかにかかっている」と分析している。
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