米大統領の地位を利用して儲けを上げるトランプ一族
私腹を肥やすトランプ一族
一国の大統領に就任することは儲けになるようだ。といっても給料の話ではない。トランプ大統領がその地位を利用して、一族への利益供与などを複数行っていると批判されているのだ。
最初のひと月だけで20億ドル
『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、トランプ一族は第二次政権最初のひと月にブランド契約だけで20億ドルを受け取ったという。しかも、これには物議を醸している大統領の「副業」は含まれていない。
同様の批判は歴代大統領にも
とはいえ、大統領の立場を利用して私腹を肥やしたとして批判されてきたのはトランプ大統領だけではない。これまでも何人かの大統領経験者が、同様の批判を受けている。
これまでの例
例えば、カーター大統領の弟はリビアからローンの提供を受けているし、バイデン大統領の次男ハンター・バイデン氏も絵画取引をめぐるものなど複数の疑惑がある。また、クリントン大統領は支援者に対してホワイトハウスに滞在する権利を提供したことを問題視されている。
より金額の大きな例も
だがこれはまだささいなほうだ。ブッシュ大統領の弟は中国の半導体企業から200万ドルの株式報酬を受け取ったとされ、ジョンソン大統領は地位を濫用して自ら運営する放送事業を拡大させた。さらに、ニクソン大統領は私邸の改装に70万ドルを拠出したとして批判された。
トランプ大統領は桁違い
だが、カナダ国営局CBCによると、私腹の肥やし方で言うとトランプ大統領こそ最大級なのだという。ある専門家の意見では、これまで問題となってきた歴代大統領の汚職疑惑額をすべて合算しても、トランプ大統領が得たとされる金額には及ばないとされている。
カタールからの政府専用機の譲渡
そもそも、直近で話題となった政府専用機の譲渡だけでも桁違いだ。カタールから贈られたボーイング747は4億ドルの価値があるとされ、トランプ大統領はそれを受け取る方針を表明した。
任期終了後は個人所有に
しかも、官邸や司法長官、国防総省などが協力して、譲渡された専用機は任期終了後もトランプ大統領の所有物となることが法的に保証されている。
大統領図書館に寄贈
ABCニュースによると、計画ではまず国防総省が専用機を受け取り、任期終了前にトランプ大統領の大統領図書館に寄付する方針だという。大統領図書館は各大統領の任期終了後に設立される施設で、任期中の公文書や公式の贈り物などが収蔵される。運営は国立公文書記録管理局が行うが、設立費用は私的な財団によって賄われることが慣例となっている。
レーガン大統領の前例も
『フォーブス』誌によると、この手続きを経ることでトランプ大統領は任期終了後も同機を使用可能になるのだという。ちなみに、レーガン大統領の大統領図書館も飛行機を所蔵していたが、図書館に寄付されるまでに7人の大統領が政府機として活用していた。
暗号通貨を宣伝
トランプ大統領一族はさらに、大統領という地位を使って暗号通貨のプロモーションも行っている。なんの裏付けもなくそのイメージにしか価値がないミームコインだが、運営側は販売に際して手数料を得ることができる。
画像：Donald J. Trump / X
上位購入者にはディナー権
この暗号通貨の購買層は国外の人物が多いが、トランプ一族はトップ購入者たちに対して大統領へのアクセスを特典として提供している。上位220人の購入者にはトランプ大統領とのディナー権が、そして上位25人にはホワイトハウスのツアー権が与えられる。
価値をつり上げる
『ニューヨーク・タイムズ』紙によると、この「$TRUMPコイン」購入特典を勝ち取った人々は最低でも1億7,400万ドルを支払ったとされる。これによって暗号通貨の価値が上がり、手数料収入も増えた。
不動産取引にも邁進
トランプ一族は諸外国との不動産取引にも熱心だ。トランプ大統領の息子たちが中東や欧州に飛び、多くの投資を呼び込んでいる。
社交クラブを設立
また、ドナルド・トランプ・ジュニアは社交クラブ「エグゼクティブ・ブランチ」の設立も表明している。入会金は50万ドルとされ、『ニューヨーク・タイムズ』紙によると会員はロビイストやテック業界の大物、官邸高官などだという。
ホテル業
トランプ大統領は第一次政権時代には自身の運営するホテルに諸外国からの来賓を迎え、政府イベントも開催、高額な政府契約を多数締結していた。『ニューヨーク・タイムズ』紙によるとこういった動きも再開しており、たとえばマー・ア・ラゴでは共和党大会が開催される予定だという。
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