「ここで商売したら店をぶち壊す」逮捕された暴力団員らがベビーカステラ屋を執拗に恫喝した「理由」

キッチンカーでベビーカステラを売っていた男性を脅迫した疑いで逮捕された服部容疑者
ベビーカステラを販売していた男性を脅迫
「誰の許可でここで商売してるの」
「明日もここで商売をしてたら店をぶち壊すから」
キッチンカーでベビーカステラを販売していた男性をそんな言葉で恫喝したとして、暴力団幹部の男らが逮捕された。
「警視庁西新井署に逮捕されたのは、指定暴力団極東会傘下組織代表の服部純也容疑者(47)ら男3人です。服部容疑者らは今年1月2日に足立区・西新井大師近くの駐車場でベビーカステラを販売していた50代の男性に対して『俺たちは西新井でベビーカステラは1店舗しか認めていない』などと脅し、暴力行為等処罰法違反(集団的脅迫)の疑いで逮捕されました。
取り調べに対し、3人は『覚えているけど注意をしただけ』などと容疑を否認しています」(全国紙社会部記者)
8月20日に本所署から送検された服部容疑者は、髪型もヒゲもばっちりと整えた姿で報道陣の前に姿を現した。日に焼け目つきは鋭く、いかにもな強面。だが時折目を閉じるなど、落ち着かない様子もみられた。
脅された男性が翌日にもベビーカステラを販売していたところ、消火器をキッチンカー内に噴射される被害も起きており、警察では服部容疑者の関連を調べているという。
ある暴力団関係者は事件の背景について次のようにみる。
「今回の件は、みかじめ料を被害者の男性が払っていなかったため、嫌がらせをされたのでしょう。もしくは、みかじめ料を払っている露天商から相談を受けていた可能性もあります。
後者の場合だと、みかじめ料を払っている別の露天商から『このあたりで商売を始めた人がいる』と連絡を受けて、ヤクザが動いたのだと思います。みかじめ料を徴収している以上、些細ないざこざであっても対応しなければなりませんし、そうしなければ、徴収している他の店に示しがつきません。
今回の事件では容疑者は否認していますが、実際に『明日もここで商売をしてたら店をぶち壊す』と言ったかどうかは関係なく、暴力団員の発言であれば脅迫とみなされて逮捕されます。この逮捕によって、組事務所に家宅捜索が入る場合もあるので、容疑者は下手を打っていると思いますよ」
消火器を噴射した件については、現時点では服部容疑者らの仕業かどうかはわからない。この関係者によれば「普通は今の時代にカタギ相手にここまでのことはしません」という。
「もし、容疑者らの仕業だとしたら、被害者の男性と口論になって、引くに引けない事態になったのではないでしょうか。『ここで商売をするな』といちゃもんをつけたら、それに対して店主側が反論をして、メンツをつぶされたとか。ヤクザはメンツを非常に大事にしているため『カタギ一人、言うことを聞かせられない』なんて許されません。舐められたことに対する制裁として、消火器を撒いたのであれば辻褄が合います」
被害者の男性はその場所で商売をする正当な権利を主張しただけではないだろうか。正しい論理が暴力に圧し潰される世の中であってはならない。

正面から表情をかえることなくカメラを見据えていた

時折目をつぶることも。何を考えていたのか

極東会傘下組織の代表だったという

脅迫した翌日に何者かがキッチンカー内に消火器を噴射した事件への関連も追及されるという