猫同士の挨拶はお互いにシッポをあげて「ゴッツンコ」、でも失敗することもある
こんにちは、世界を旅する犬猫写真家、新美敬子です。韓国・釜山で出会った猫たちを2回に分けてご紹介します。
<釜山の住宅地で出会った猫たちの写真(16枚)はこちら>
小高い丘の中腹にある住宅街です。車が入ってこない狭い路地で、トボトボと歩いている猫とすれちがいました。
その先の公園では、周りが保護色となるような場所で休んでいる猫がいました。近くの家から遊びに来ているのでしょうか。
公園から先ほどの路地まで戻ると、さっきすれ違った猫が風の通り道でたたずんでいました。「賢いね、夕涼みをしているんだね」と話しかけると、そうだよと答えるかのように、大きなあくびをしました。そして口を閉じる瞬間、「にゃっ」と声が出ました。
「釜山には、小高い丘になっている自然な公園がいくつかあり、ウォーキングやジョギングをする人たちが猫たちの世話をしているよ」と教えてもらいました。木立のなかにある坂道を上っていくと、さっそく猫の姿がありました。
仲よく話している様子だった2匹のうちの1匹が近づいてきて、「こんにちは〜」と、挨拶してくれました。
こちらは、散歩している猫同士の挨拶です。お互いにシッポをあげて「ゴッツンコ」しようとしましたが、ちょっとタイミングがずれてしまったようです。こういう場合にゴッツンコのやり直しをすることもありますが、この2匹は、このまますれ違っていきました。
友だちと仲よくしている猫もいますが、孤独を愛する猫もいました。
この猫は、「お山の大将」なのでしょう。10メートル以上離れた遠い場所に猫が上ってきたのを見つけ、「やんのか!?」と、体を大きく見せていました。
ところがその先にいた猫は、涼しい顔をしています。お山の大将のトラ猫がゆっくり近づいてくると、こちらの黒白猫は塀を下り、争いごとにはなりませんでした。たぶんトラ猫よりも年上の黒白猫の、オトナの対応でした。
水を飲んでいる猫もいます。世話をする人がお水を替えてくれているのだなと思いました。
港町である釜山の、海岸に近いところは平坦で商業区域が広がっています。そこから住宅地へと続く坂道を上っていくと、ちらほら、猫の顔がありました。
生後3〜4カ月でしょうか。このくらいの月齢の子猫がいっしょにいるということは、きっときょうだいでしょう。
子犬がビニールの紐でバイクに繋がれていました。後ろ姿を撮ろうと足を止めたわたしに気がついてふり返り、「きゃっ、きゃっ」と鳴きながら膝に飛びついてきました。そのとき、「おすわりしなさい」と家のなかから年配女性の声が聞こえ、子犬は残念そうな顔をしながらも指示に従いました。
小高い丘の公園の木立のなかに、変わった意匠の塀がありました。どこからか移設したもの?と眺めていると、猫が早足で通り過ぎました。
釜山は、距離的にも交通面でも日本に近く、街並みは懐かしさや親しみを感じます。そこで猫と出会ったら、思わず、「トラくん」「ミケちゃん」などと、呼びかけてしまいます。すると、猫たちは「なに?」といった表情で応えてくれたことが忘れられません。
※釜山への行き方
成田国際、関西国際、中部国際空港をはじめとして、札幌新千歳、松山、福岡、熊本、那覇の各空港から直行便が出ています。福岡空港から釜山へは、約1時間。成田から約2時間、札幌から約3時間。
博多、下関、大阪などからフェリーで行くこともできます。また、東京から大型クルーズ客船で行くツアーが、不定期に企画されています。