「撃て」:ロシア軍司令官、味方負傷兵の処刑を命令
傷病兵を切り捨てるロシア軍

戦場におけるロシア軍の音声記録を傍受したウクライナ国防省情報総局は、7月19日にその一部を公開した。そこには、ロシア軍の司令官が部下に対し、病気や怪我で動けない味方を射殺するよう命じる声が含まれていた。
ウクライナのニュースサイトが報道

ウクライナ支援プラットフォーム「United24」によれば、このニュースを最初に伝えたのはウクライナのニュースサイト「Hromadske」だったという。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に
「海兵隊に病人などいない」

音声記録の中で、ロシア軍の司令官は「あいつを撃て(……)海兵隊に病人などいない。生存者と死者だけだ。他に選択肢はない。あいつに動く気がないのなら、お前が撃て」と命じていた。「United24」が報じている。
第155独立親衛海軍歩兵旅団

ウクライナ国防省情報総局がTelegram上で明かしたところによれば、この恐ろしい命令はロシア太平洋艦隊に所属する第155独立親衛海軍歩兵旅団の司令官が戦闘中に下したものだという。
戦争犯罪に繰り返し関与

「United24」はさらに、「第155独立親衛海軍歩兵旅団は過去に占領されたキーウ州の一部やその他の戦闘地域において、戦争犯罪に繰り返し関与してきた」と指摘。
見せしめを利用して規律を維持

一方、ウクライナ国防省情報総局は今回の音声記録について、ロシア軍の司令官は戦場で規律を維持し、部下を服従させるため、処刑を多用しているとした。
「単発の事件ではない」

同情報総局いわく:「これは単発の事件ではありません。ダメージが増え、士気が低下すると、司令官は処刑を振りかざして部隊をコントロールするのです」
ロシア軍内部で蔓延する虐待

ただし、この音声記録はウクライナ側によって公開されたものであり、ただちに事実であると鵜呑みにすることはできない。とはいえ、ロシア軍内部における虐待はたびたび報告されており、信憑性は高いものと言える。
捕虜になる方がマシ

たとえば、2025年5月にはロシア兵らが所属部隊での虐待に耐えかね、捕虜になる方がマシだとして、ウクライナ軍の空挺部隊に投降する出来事があったという。『キーウ・インディペンデント』紙が7月1日に報じた。
非人道的な扱い

ウクライナ空中機動軍はこの事件に関する投稿の中で、降伏したロシア兵らは所属部隊から「非人道的な扱いや精神的プレッシャー、脅迫を受けていた」と説明。
第三者による報告

また、ロシアの独立系メディア「The Insider」は2024年7月に、「ロシア兵や志願兵らからは、司令官や同僚による拷問を訴える声がたびたび挙がっている」と報じた。
強制収容所方式の懲罰

さらに、逃亡を試みた兵士は地下室に監禁されたり、樹木に縛られて上官に殴打されたりしたという報告がなされているほか、ロシア軍は旧ソ連時代の強制収容所を参考にして懲罰を行っているという話もある。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に