発売前なのに登場した派生モデル、ホンダ「CB1000F SEコンセプト」 “乗り手に選ばれるバイク”を目指した最新CBについてホンダ広報に直撃インタビュー!! 〜小野木里奈の○○○○○日和〜

発売前にして派生モデルが登場!?

 皆さん、こんにちは! バイク好き女優の小野木里奈です。

 本日はホンダモーターサイクルジャパンの森口さんに、先日世界初公開された「CB1000F SEコンセプト」について話を聞いてきました。

発売前にして派生モデルが登場!?, ユーザーの反響は?, ホンダが「CB」シリーズに込める想い, 「いつかはCB」という存在でありたい

ホンダ「CB1000Fコンセプト」と小野木里奈さん

ホンダ「CB1000Fコンセプト」と小野木里奈さん

【画像】鈴鹿8耐で初公開!! ホンダ「CB1000F SEコンセプト」と「CB1000Fコンセプト」カラーバリエーションモデルを画像で見る(30枚以上)

 このコンセプトモデルは、「2025 FIM 世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース」(以下:鈴鹿8耐)の期間中に鈴鹿サーキットにて公開され、直接目にした方も「どんなバイクなんだろう」と気になった方はたくさんいるのではないでしょうか。今回は私が初心者目線で色々と質問させていただきました! それでは、いってみましょう!

発売前にして派生モデルが登場!?, ユーザーの反響は?, ホンダが「CB」シリーズに込める想い, 「いつかはCB」という存在でありたい

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000F SEコンセプト」。当日は実際に跨がり、エンジンを始動することも可能でした

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000F SEコンセプト」。当日は実際に跨がり、エンジンを始動することも可能でした

小野木:今回公開された『CB1000F SEコンセプト』は今年の春に開催されたモーターサイクルショーで先に公開された『CB1000Fコンセプト』よりもスポーティーな印象を強く感じましたが、デザイン面で、そのようなイメージはあるのでしょうか?

森口さん:実は、これまでもCBシリーズはこの『CB1000F SEコンセプト』ようなフロントカウルを付けたモデルがあったんです。

 例えば歴代モデルでは、スタンダードモデル『CB1000 SUPER FOUR』に対して、『CB1000 SUPER FOUR T2』(1994年)という、同じようにビキニカウルを付けたモデルがありました。そういった形で考えれば、これはCBの伝統的なデザイン手法といえるかもしれません。

『CB1000F SEコンセプト』は、スタンダードモデルである『CB1000Fコンセプト』をちょっとスポーティーな形にして、幅広くお客様の嗜好に応えられるようなものとして準備しています。『CB1000F SEコンセプト』は、ラジエーターカバー、グリップヒーター、クイックシフターも装備されています。ちなみに、今回はエンジンをかけて音を聞いていただくというコンテンツも行なっていたので、展示しているものはミッションのギアが入る危ないのであえて外してあります。

発売前にして派生モデルが登場!?, ユーザーの反響は?, ホンダが「CB」シリーズに込める想い, 「いつかはCB」という存在でありたい

2025年の鈴鹿8耐では、「レーシング」の「CB」を車名に持つ「RCB1000」、「CB1000Fコンセプト」、「CB1000F Concept Moriwaki Engineering」の

2025年の鈴鹿8耐では、「レーシング」の「CB」を車名に持つ「RCB1000」、「CB1000Fコンセプト」、「CB1000F Concept Moriwaki Engineering」の

小野木:世界初公開の場を鈴鹿8耐というレースの聖地で展示する意義は何でしょうか?

森口さん:やはりCBシリーズはホンダのスポーツバイクが進化する基準のような位置づけにあるといえます。一時期はV型エンジン搭載の「VFR」シリーズのように、エンジンの形は変わりましたが、そもそもCBにはスーパースポーツとしての血筋があるんですよ。

 さらに、今回は『スペシャル・ラン』という形で、展示されている『RCB1000』、『CB1000Fコンセプト』、『CB1000F Concept Moriwaki Engineering』がサーキット内を走りました。直列4気筒エンジン搭載のレース車両の系譜のように、この日本最大のレースイベントである鈴鹿8耐にてお客様にお披露目することは、初めて『CB1000Fコンセプト』が動く場として相応しいと我々も考えました。

 3台によるスペシャル・ランも行われました

ユーザーの反響は?

小野木:実際にこの期間展示されてみて、お客様の反応とかはどうですか?

森口さん:ビキニカウルに関しては、よりスポーティーな感じで実際の発売がすごく楽しみだな、という声もいただき、我々としても非常に好感触だなと感じました。また、ホスピタリティラウンジ内の『Honda Dream Viewing Seat』では、『CB1000Fコンセプト』の色違いのモデルを2色展示しています。そのうちのブラックカラーは特に好評でした。

発売前にして派生モデルが登場!?, ユーザーの反響は?, ホンダが「CB」シリーズに込める想い, 「いつかはCB」という存在でありたい

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000Fコンセプト」のブラックカラー仕様(オプションと思しきカウルを装備)。ユーザーからの高い評価を得ていたといいます

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000Fコンセプト」のブラックカラー仕様(オプションと思しきカウルを装備)。ユーザーからの高い評価を得ていたといいます

小野木:鈴鹿サーキットは、レース好きやベテランライダーの方が多い場所だと思います。この場所で展示することで、そのような方々の目にどのように映ってほしいなどありますか?

森口さん:現在、オートバイのメインとなるお客様が多い層はやっぱり40代、50代、60代なんですよね。その世代のコアなお客様にとっては、CBのスタイリングやカラーリングだとか、今までCBが歩んできたロードスポーツモデルの市販車としての歴史などを感じられると思います。

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1982年、WGPに参戦したフレディ・スペンサーは、ホンダ「CB750Fレーサー」でデイトナ100マイルレース初制覇。「CB1000Fコンセプト」はまさにその血統を継ぐ最新モデルと言えます

1982年、WGPに参戦したフレディ・スペンサーは、ホンダ「CB750Fレーサー」でデイトナ100マイルレース初制覇。「CB1000Fコンセプト」はまさにその血統を継ぐ最新モデルと言えます

 あとブース内にも写真がありますが、フレディ・スペンサーという伝説のライダーがかつて『CB750F』でアメリカでレースに出場していて、そういったイメージリーダーがいるわけですよね。そのような活躍も知っている往年からのファンのお客様にとっては、このスタイリングはすごくワクワクするのではないでしょうか。ぜひこちらも所有して、ガレージに置いていただき、週末のツーリングを楽しみたいなとか、何かワクワク感を想起してもらいたいなというふうに思います。

小野木:モーターサイクルショーで『CB1000Fコンセプト』を発表された際に、このモデルは“より乗り手を選ばないようなバイク”に仕上げたとおっしゃっていましたが、『CB1000F SEコンセプト』も同じような思想が込められているのでしょうか。

森口さん:もちろんベース車両が同じなので、そこのところは変わらないですね。やはり、CBというものは繰り返しになってしまいますが、“乗り手を選ぶバイク”ではなく、“乗り手に選ばれるバイク”であり続けられているのかな、と思います。なので、そう思わせる乗りやすさや感性に響くようなフィーリングなどを重視して作り込んでいますのでご期待ください。

ホンダが「CB」シリーズに込める想い

発売前にして派生モデルが登場!?, ユーザーの反響は?, ホンダが「CB」シリーズに込める想い, 「いつかはCB」という存在でありたい

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000Fコンセプト」カラーバリエーションモデル。ブラックと共に3色での展開が予想されます

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000Fコンセプト」カラーバリエーションモデル。ブラックと共に3色での展開が予想されます

小野木:CBシリーズという長い歴史がある中で、『CB1000F SEコンセプト』の位置づけはどのようなものになりますか?

森口さん: CBシリーズは常に「ホンダにとって、先進のロードスポーツの形はこういうものですよ」というように、提案するのではなく、我々の回答といえる存在です。例えば、『CB750Four』が量産車で世界初の4気筒エンジンやディスクブレーキを搭載したりなど、常に先進のロードスポーツバイクの形を見せてきました。

 ちなみに、『CB1000Fコンセプト』については『CB750F』のカラーリングを踏襲しています。一方で当時、先進的だったものが時を経つにつれて普遍的なものになっていくみたいなことを表現しているんです。

 CBシリーズは、歴史の深さとホンダのロードスポーツの最新の形のようなものを体現する代表的なプロダクトブランドです。ホンダにとって常に進化し続けるロードスポーツバイクの基準であることが提供価値なので、そんな気持ちを受け取っていただければ幸いかなと思います。

小野木:個人的に、森口さんご自身がこの『CB1000F SEコンセプト』に乗ってツーリングに出かけるとしたら、どんな場所に行きたいですか?

森口さん:やはり市街地での扱いやすさは当然あると思います。ツーリングへ出かけた時に高速で運転するというよりも、中低速をメインにあまりスピードを出さないようなワインディングなどを楽しみたいなと思いますね。

「いつかはCB」という存在でありたい

小野木:最後に、まだバイクを乗り始めたばかりの初心者ライダーや若い世代、女性ライダーに向けてもメッセージいただけますか?

森口さん:これからエントリーしてくる若い方達は、CBシリーズの歴史など全然知らないと思うんですよね。なので、逆にそのような方にとってはすごく新鮮に映ってくれていると思うんです。これまで最新のデザインとはちょっと違った、トラディショナルな形でありながらも、同時に新鮮味を感じてもらえると思います。我々のような50代からすると、ちょっと懐かしい感じのイメージはありますが、若い方々にとってはそんな先入観もなく乗っていただきたいな、と思っています。

発売前にして派生モデルが登場!?, ユーザーの反響は?, ホンダが「CB」シリーズに込める想い, 「いつかはCB」という存在でありたい

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000Fコンセプト」カラーバリエーションモデル(左)と「CB1000F SEコンセプト」

2025年の鈴鹿8耐で世界初公開されたホンダ「CB1000Fコンセプト」カラーバリエーションモデル(左)と「CB1000F SEコンセプト」

 ここ5、6年で若い方はハンターカブ、女性はレブルなどから、オートバイの楽しさに触れて入ってきてくれた方が多いと思います。もちろん、そういった方にいきなり250ccクラスやハンターカブなどからこの大きいバイクへ、と言うとかなり飛躍し過ぎると思います。

 でもやっぱり「いつかはCBみたいな……」というような憧れの姿であってほしいと思っています。「自分もいつかはこれに乗りたいな」と思っていただけるような魅力的なモデルを作っていきたいと思うので、ぜひ一度店頭で試乗していただくとして、ホンダのスポーツバイクの楽しさを一回味わっていただきたいなと思っています。

 3台によるスペシャル・ランも行われました