アルボンはサインツJr.の加入をどう感じている?「彼は良いベンチマーク……以前のチームメイトからは信頼されていないと感じたこともあったけど」
ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは2025年シーズンのF1前半戦を振り返り、今季からチームに加入したカルロス・サインツJr.の存在が非常に重要だったと考えている。そして2026年のF1大変革を前に、チームを大きく前進させることができている感じているようだ。
サインツJr.は2024年限りで、ルイス・ハミルトンに押し出される格好でフェラーリのシートを失うことになった。しかしその才能は高く評価されており、2025年に向けて多くのチームが誘いの声をかけていた。そんな中、ザウバーやアルピーヌとの獲得競争に打ち勝ったのがウイリアムズだった。
ウイリアムズはここ数年、ローガン・サージェントやフランコ・コラピント、そしてニコラス・ラティフィといった経験の浅いドライバーをアルボンのチームメイトとして起用してきた。アルボンとサインツJr.という、経験も才能も豊富なふたりのドライバーを揃えられるということは、ウイリアムズにとっては大きな収穫だった。
アルボンにしてみれば、チームメイトとのパワーバランスという面ではサインツJr.と対峙するというのは大きな試練だったかもしれない。しかし今季のアルボンは非常に安定した走りを見せ、これまでの予選ではサインツJr.に対して8勝6敗と、互角以上の走りを見せている。もちろん、昨年までフェラーリのマシンに乗ってきたサインツJr.は、まだウイリアムズのマシンに完全に慣れ親しんだわけではないというハンデはあるが。
また獲得ポイントは、アルボンの54ポイントに対してサインツJr.が16ポイントと、大きな差がついている。ただ、これはサインツJr.が信頼性の問題と戦略失敗に見舞われたことが大きく影響しており、実際のところ、両者はほぼ互角の活躍を見せていると言うことができよう。

Carlos Sainz, Williams
アルボンはmotorsport.comのインタビューに応じ、2025年ここまでのシーズンについて振り返った。その中で一貫したパフォーマンスを発揮し続けることができたと語った。
「自分のパフォーマンスについては、文句のつけようがない。安定した週末を過ごせていると思うし、ひどい結果に終わった週末は一度もない。常に力強いピークのパフォーマンスを発揮してきたと言えるだろう」とアルボンは言う。
「自分のパフォーマンスをどう評価するかについては、かなり本質的なところだ。自分の仕事を、うまくこなせていると思っている。そしてチームも素晴らしいマシンを提供してくれて、5位や6位といっためざましい結果を残すことができた」
「実のところ僕のプロセスや仕事のやり方は、この数年何も変わっていない。毎年、少しずつ改善しているけど、今年ここまでの自分のパフォーマンスには満足している。本当に安定していると思う」
「僕らはかなり静かに、自分たちの道を歩んできたと思う。ミスを犯すことなく、堅実な週末を送り、戦略であれコンディションであれ、その瞬間を活かす……とにかく非常に堅実な走りができていると思う」
そのアルボンは、サインツJr.に注目が集まっていることをポジティブに捉え、その能力のおかげでチームにとっての素晴らしいベンチマークになっていると感じているようだ。
「それは避けられないことだったと思う」
シーズン序盤、注目が自分ではなくサインツJr.の方に集まったことについて、アルボンはそう語った。
「カルロスのような経験とスピードを持つドライバーを獲得できたのは、チームにとっては素晴らしいことだった。そして彼は僕にとって、すぐにベンチマークになったんだ」
「ドライバーは、『そのエネルギーをどう受け止めるか』ということを考える必要がある。それをプラスに捉えることも、マイナスに捉えることもできる。僕にとってはプラスになったと思うし、カルロスがチームに加わることをずっと望んでいた。そして僕にとっては、素晴らしいベンチマークだ。以前のチームメイトからは、信頼されていないと感じることもあったからね」
「ローガンも、フランコも、ニコラスも、力強いドライバーだったと思う。でもフェラーリで活躍したカルロスのようなドライバーが加わったことは、僕にとってはとてもいい経験になった」

Alexander Albon, Williams
ウイリアムズは、レギュレーションが大きく変わる2026年以降に向けて、チームの再編を進めている最中だ。その結果、2025年シーズンは好調なスタートを切り、コンストラクターズランキング5番手につけた状況で夏休みを迎えた。
「明らかに、今年は非常に良いスタートを切ることができた」
アルボンはそう語った。
「開幕戦での5位は、素晴らしいエネルギーをチームにもたらしてくれた。そして、チーム全員の士気を高めた。『よし、僕たちはやれる。良いマシンを持っている』ってね」
「バーレーンでのプレシーズンテストで、マシンの調子が良いことが分かった。メルボルンでは、それが確固たるモノになった。そしてシーズンをスタートさせることができたんだ」
「ポイントを獲得するためにリスクを負ったり、戦略面で様々なことをしたりしなければいけなかった、昨年のようなシーズンにはなっていない。クリーンな状況を維持し、良い仕事をして、予選でいい結果を残せれば、残りのシーズンは大丈夫だろう」
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