「良いのか悪いのか分からない1アンダー」松山英樹が“史上3位”11回目の最終戦開始

松山英樹は初日1アンダーで滑り出し

◇米国男子プレーオフ最終戦◇ツアー選手権 初日(21日)◇イーストレイクGC(ジョージア州)◇7440yd(パー70)

フェデックスカップが開始された2007年以降、ロリー・マキロイ(北アイルランド)、ダスティン・ジョンソンの12回に次ぐ、キャリアで11回目のプレーオフシリーズ最終戦。常連選手となって久しい松山英樹が初日を60台で終えたのは、「66」をマークした2019年大会以来6年ぶりだ。

4バーディ、3ボギー。その「69」を「まあ、良いのか悪いのか分からない1アンダーです」と悩ましげに振り返る。年間ポイントレースのトップ30だけが出場を許されるエリート大会。首位と8打差の21位スタートという結果に満足いくはずがない。

2年連続11回目のプレーオフシリーズ最終戦

スタートの1番で3mのパーパットを沈めたかと思えば、次の2番(パー3)で2mのチャンスを外した。3番では2打目をピンそば5mにつけながら3パットでボギーが先行した。新たに投入したスコッティキャメロンの黒いピン型パターが、これで“悪かった”とも言えない。8番で2mの下りのスライスを沈め、9番(パー3)では5mを流し込む2連続バーディで盛り返した。

ヘッドが黒く、フェースにインサートが装着されたパターだった

前夜の雨でわずかに軟らかくなったグリーンで、2回目の3パットを喫した11番(パー3)をボギーとした後、14番では6mのパットをねじ込んでボギーを回避。すぐに15番(パー3)でティショットをピンそば2.5mにつけるなどバーディをその後2つ奪った。

愛用するコブラの5Wの代わりにピンの7Wをキャディバッグに入れた

この日は愛用する5Wの代役として新たにロフト角21度表記の7Wも実戦テスト。「いま求めている弾道に近かった」とピン「G440 MAX」をキャディバッグに入れた。絶好の使用機会と言えそうな、最終18番(パー5)の2打目は左のラフからレイアップする羽目に。フライヤーの可能性を考慮し番手を1つ下げて9Iで打ったショットは、避けたはずの178yd先のバンカーにつかまり、約70ydの3打目はグリーンオーバー。尻上がりに調子を上げたかに見えた一日の締めくくりはボギーだった。

初日はシェーン・ローリーとプレー。ともにショット巧者の2サム

前週のプレーオフ第2戦「BMW選手権」然り、ラウンド中に勢いを突然止めてしまう一打が出るのが今季の悩み。「2番、3番、特に11番、12番は(そういうところが)ありました」と反省ホールを並べた一方で、「その分、14番のパーパットで耐えられたところは最近ではなかったこと。そこはプラスだと思います」と好材料もある。

「何が悪くて(好)スコアに繋がらないのか分からない状況。一つひとつのミスが簡単にボギーになってみたり、チャンスで流れに乗れるようなバーディパットを外してみたり…。あしたは切り替えてやれたら」。リーダーボードを見上げる前に、まずは自身のスコアカードに集中する。(ジョージア州アトランタ/桂川洋一)

「ツアー選手権」出場回数(2007年のフェデックスカップ創設後)

※2025年大会出場者

12回/ロリー・マキロイ※、ダスティン・ジョンソン

11回/松山英樹※、ジャスティン・ローズ※、アダム・スコット

9回/ジェイソン・デイ、マット・クーチャー、フィル・ミケルソン

4バーディ、3ボギーの「69」