女性限定のフォーミュラカーレースがバチバチの激戦を展開中!【KYOJO CUP第3戦】

女性限定のフォーミュラカーレースがバチバチの激戦を展開中!【KYOJO CUP第3戦】

今シーズンからフォーミュラカーによるレースへと進化したKYOJO CUPの第3戦が、8月16日(土)~17日(日)に富士スピードウェイで行われた。

KYOJO CUPは国内唯一の女性限定フォーミュラカーレースで、開催初年度の今年は富士スピードウェイで5大会全10レースを開催する。今回の第3戦はシーズン中盤戦に当たり、後半戦に向けたポイントランキング争いで重要な大会となる。

今大会前の8月4日(月)~5日(火)には第4回合同テストを実施し、ハイブリッドフォーミュラ「KC-MG01」のハイブリッドシステムを切った形で走行が行われた。その走行後のデータで、全車両の中間加速、最高速の2点において数値がそろってきたことを確認。

この結果を受け、事務局は車両性能をイコールコンディションに近づけるため、第3戦は全車両のハイブリッドシステムを使用せずにレースを行うことを決定。こうして迎えた予選は、8月16日(土)の9時25分から20分間で行われた。

参加ドライバーは、開幕大会から2戦を欠場していたフィンランド出身のフレイム・アイリッカラを含む20人の女性ドライバー。

予選開始早々、第2戦KYOJO Finalで今季初優勝したポイントリーダーの翁長実希のマシンがストップしてしまう。これにより翁長は、予選アタックを行えないままノータイムという結果に終わる。

そして予選は、翁長のライバルで、同ポイントでランキングトップに並ぶ下野璃央がトップタイムをマークする。

しかし、前戦でポールポジションを獲得した斎藤愛未がそれを上回る1分45秒792をマーク。予選終了まで、このタイムを上回るドライバーは現れず、斎藤が2戦連続でポールポジションを獲得した。

▲予選で1分45秒792をマークしてポールポジションを獲得した斎藤愛未の走り

この予選結果で決定したグリッドにより、同日の10時35分から10周のKYOJO Sprintレースを開催。小雨が降るなかローリングスタートが切られ、ポールポジションの斎藤がトップで1コーナーを駆け抜ける。

3番手スタートの下野は2番手に浮上。一方、予選ノータイムにより最後尾グリッドからスタートした翁長は、ライバル達を次々にオーバーテイクする鋭い走りにより数周で8番手まで順位を上げる。

最終コーナー付近では雨足が強まり、トップを快走していた斎藤がなんとスピンを喫し、その他にも何台かのマシンがスピンしたことで、6周目に赤旗が提示される。

しばらくして雨足が弱まると、セーフティーカー先導でレースは再開され、2周後にローリングスタートが切られる。ここで抜群のスタートを見せたのが斎藤に代わってトップに立っていた下野で、素晴らしい走りで後続との差を広げていく。

2番手だった白石いつもは逆にペースが上がらず、下野に引き離されるだけでなく後続の富下李央菜、平川真子に先行を許してしまう。

結果、下野は2位に3秒337の差を着ける独走で、今季3回目の優勝を果たした。

▲第3戦KYOJO Sprintで優勝した下野璃央

2位は平川、3位は富下で、最後尾グリッドから驚異的な追い上げを見せた翁長は5位でフィニッシュするが、レース後にスタート時の違反で30秒のタイムペナルティが科されてしまい、16位という結果に終わる。

▲8月17日に開催された第3戦KYOJO Finalのスタートシーン

翌17日(日)の14 時15 分からは、12周で競われるKYOJO Finalが開催された。グリッドは前日のKYOJO Sprintの結果順で、Sprintレースで優勝した下野がポールポジション。

下野はローリングスタートをうまく決め、それに平川と富下が続く。その後方からは5番手スタートから順位を上げてきた佐々木藍咲が迫り、4周目に佐々木は富下をオーバーテイクして3番手に浮上する。

佐々木はその勢いで、今度は2番手の平川を6周目に攻略することに成功する。3番手争いは、残り3周となった9周目に富下と平川がサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げ、最終的に富下が3番手となる。

そして12周のレースは、トップの下野が独走状態でチェッカーを受け、前日のKYOJO Sprintに続く優勝を飾り今季4勝目をマーク。

▲下野璃央は第3戦KYOJO Finalでも前日のSprintに引き続き優勝。今季4勝をマーク

2位にはKYOJOで初の表彰台を獲得した佐々木が入り、3位は富下という結果となった。

▲佐々木藍咲は平川、富下とのバトルを制して初表彰台となる2位を獲得

▲第3戦KYOJO Finalの優勝は下野璃央、2位は佐々木藍咲、3位は富下李央菜

なお、16番手スタートの翁長は今回も驚異的な追い上げを見せて6位でフィニッシュした。この結果、ドライバーズランキングは下野がトップで83点、2位の翁長が57点、3位の斎藤が36点となっている。

次の第4戦は10月11日(土)〜12日(日)に、今季2度目となる全日本スーパーフォーミュラ選手権との併催大会として行われる。

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【第3戦KYOJO Final/選手のコメント】

優勝:#86 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)

「今日は優勝するチャンスだと思っていたので、しっかりと優勝できてほっとしています。ペースは開幕戦ほどの自信はなく、レース途中でギャップが詰まっていることを知り少し焦りましたが、自分の走りに集中して前だけを見て走りました。ポイント的に余裕ができ、次戦は気持ちに余裕を持って挑めますが、しっかりと優勝を目指します」

2位:#8 佐々木藍咲(LHG KDDP KC-MG01)

「このような大きいレースでの表彰台は人生で初めてなのでとても嬉しいです。ここまで成長できたのも、いろいろな方々のおかげだと本当に感謝しています。まだまだ勉強することはあるので、次戦はもっと上位からスタートできるように頑張ります」

3位:#39 富下李央菜(OPTIMUS CERUMO・INGING KC-MG01)

「今日は悔しいです。昨日3位で終わったので、今日は絶対に順位を上げようと思っていたのに、それができず悔しい結果になりました。やはり予選の順位がすごく大事だということを感じたので、次戦は予選から決勝まですべて1位を狙って頑張りたいと思います」

<文/茂木康之、写真/KYOJO CUP(インタープロトモータースポーツ)>

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