レッドブル代表、オランダGPでの角田裕毅のトラブルについて説明「ピットレーンでのマップに固定されてしまった」

 レッドブルの角田裕毅は、F1オランダGPの決勝レースを9位でフィニッシュした。久々に入賞を果たしたという意味では、安堵すべき結果と言えるかもしれないが、展開がもう少しだけ向けばもっと良い順位でフィニッシュできた可能性もあるレースだった。また、途中トラブルにも見舞われた。

 これらについて、レッドブルのローレン・メキーズ代表が説明した。

 角田は12番グリッドからソフトタイヤを履いてスタート。そのスタート直後にはひとつポジションを上げ、入賞圏内まであと一歩というところを走っていた。

 しかし徐々にソフトタイヤのデグラデーションが始まり、前を行くドライバーにプレッシャーをかけられなくなってしまった。しかし雨雲が接近していたため、動くに動けず……周回が進んでいった。

 雨が強くならないと判断するや否や、ふたつ後ろのポジションを走っていたフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がピットイン。角田はこれに反応して、翌周(19周目)ピットに入り、ハードタイヤに履き替えた。しかしこれは、最悪のタイミングだった。

 角田がピットストップしてから4周後、フェラーリのルイス・ハミルトンがクラッシュし、セーフティカーが出動してしまう。これにより、角田の前を走っていたマシンは、軒並みポジションを落とすことなくタイヤ交換を完了。角田は15番手まで順位を下げてしまった。

「最初のセーフティカーのタイミングは、少し不運だった」

 そうメキーズ代表は語った。

「彼はこれによって、4つか5つポジションを落としてしまった。ピットストップする前には、アントネッリ(アンドレア・キミ・アントネッリ/メルセデス)の前にいたんだからね。それを考えれば、レース終盤には7番手くらいを走っていただろう。その面では、不運だったんだ」

「レースペースに関しては、あまり分からない。彼はレースの大半で、トラフィックに抑えられていたからね」

 なおレース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールがアントネッリと接触してクラッシュしたことで出された2回目のセーフティカー中に、角田は「パワーが出ない!」と訴えるシーンがあった。

Yuki Tsunoda, Red Bull Racing Team

 角田はレース後、「具体的な詳細は言えませんが、セーフティカーが僕のマシンより速い瞬間があったことは確かです」と語るに留めたが、メキーズ代表はもう少し具体的な状況を説明してくれた。

「PUに問題があったわけではない。ピットストップの後に、間違ったマップにロックされてしまったことが原因だった」とメキーズ代表は説明する。

「FIAのレギュレーションについて、文句を言うつもりはない。しかし基本的に、ピットレーンにいる間にはマップを変更している。そしてそれを元に戻せなければ、残りの間はずっとそのスロットルマップに固定されてしまうのだ。今回はそういうことが起きた」

「つまり彼はレース終盤、本当に扱いにくいスロットルマップで走っていたんだ」

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