負傷者が出ていた可能性もあったと断罪! F1オランダGP、ピアストリとラッセルのピットレーン”あわや接触”事故でマクラーレンに罰金

 F1オランダGPのフリー走行2回目、マクラーレンのオスカー・ピアストリは、メルセデスのジョージ・ラッセルとピットレーンで接触しかけるという事態を引き起こした。しかしセッション後に審議が行なわれた結果、ピアストリにはペナルティは科されなかったものの、チームには罰金が科された。

 FP2ではウイリアムズのアレクサンダー・アルボンがターン1で止まりきれずにクラッシュし、グラベルトラップから抜け出せなくなるという事故が起きた。これにより、このセッション2回目の赤旗中断となり、各車が一斉にピットに戻った。

 事件はこの時に起きた。ピアストリはファストレーンから、通常のルートでピットボックス(作業エリア)に入ろうとした。しかしチームスタッフはピアストリに、もう少し先へ行けと指示。ピアストリはこれを受け、ファストレーンに戻って、自らのガレージ前にマシンを運ぼうとした。

 しかし突如ファストレーンに戻った際、後方からはメルセデスが迫っており、あわや接触。ラッセルはこれを避けるために回避行動を取った。ラッセルはこの時の状況を、次のように振り返っている。

「彼は少し早めにピットインして、またピットアウトしてきた。少し不運だったのだろうけど、ちょっと怖かったね」

 そうラッセルは語った。

「コース上を走っている時には、どんな状況にも対応できる態勢が整っている。でも、ピットレーンを比較的低速で走っている時は、ただのんびりしているだけだ。その時、僕は自分のマシンの画面を見ていたんだけど、『なんてことだっ!』と思ったよ。本当に驚いた」

 なおラッセルの急減速により、接触は避けられた。もしそのままピットレーン上で激しいクラッシュが発生していたら、周りには多くのスタッフがいたため、大惨事になっていた可能性がある。

 スチュワードも調査の結果、今回の事象は「ピットレーンにいる1人または複数のスタッフが負傷する事態になった可能性がある」と指摘。ピアストリにはペナルティは科さなかったが、ドライバーに警告を与える義務を怠ったとして、マクラーレンに5000ユーロ(約86万円)の罰金を科した。

「スチュワードは、81号車のドライバー(オスカー・ピアストリ)とチームの代表から事情を聴取し、ビデオ、チーム無線、オンボード映像などの証拠を検証した」

「81号車は、フリー走行2回目の赤旗中にファストレーンを抜け、ピットボックスに入ろうとした。81号車がピットボックスに近付くと、チームスタッフがリヤジャッキを押して、進入を阻止した。そして別のメンバーは、81号車に隣のピットエリアに迂回するように合図し、81号車はそれに従った」

「その後彼(ピアストリ)は、ファストレーンに一時的に方向転換し、その後隣のピットボックスに入った。この結果63号車(ラッセル)は急ブレーキをかけ、回避行動を取らなければならなくなった。衝突は発生しなかったが、この状況は衝突に繋がる可能性があった。また、ピットレーンにいたチームスタッフ1名以上が負傷する可能性もあった」

「チームはドライバーに警告をしなかったことを認め、状況をもっと適切に管理できた可能性も認識している。チームは、81号車をピットボックスに進入させる手順について、より注意を払うべきだったという点で意見が一致した」

「FIA F1スポーティング・レギュレーションの第55.5条に基づき召喚状を発行したが、今回のチームの行為は、(国際モータースポーツ競技規則の)第12.2.1.h条を適応した方が適切であると判断した」

「従ってこの条項に基づき、チームに5000ユーロの罰金を科した」

 なおスチュワードの報告にある第55.5条は、セーフティカー走行中の不規則なドライビングまたは危険な運転に関する条項であるが、ピット進入時の行為についても、下記のように言及されている。

「いかなる車両もセーフティカーが出動中のどの時点であっても、不必要に遅くまたは不安定な走行する、または他のドライバーあるいはそれ以外の人に対して危険を及ぼす可能性があるような方法で運転してはならない。これは、かかる車両が本コース上にいる場合にも、ピットロード入口あるいはピットレーン走行中である場合にも適用される」

 つまり当初は、ピアストリのドライビングに問題があった可能性が考えられていたということだろう。しかし審議の結果、チームの指示に問題があるという結論に至ったため、F1のスポーティングレギュレーションではなく、国際モータースポーツ競技規則に記されている「結果的に危険な状況となるような、いかなる危険な行為または適切な対策の不履行」にあたると判断されたようだ。

 チームメイトと僅差のタイトル争いを繰り広げるピアストリにとっては、胸を撫で下ろす審議結果だったと言えるかもしれない。しかしもう少しでもタイミングが違っていたら、大惨事になっていた可能性もあり、実に危険な事故だったと言うべきであろう。

関連ニュース:
  • F1角田裕毅の残留“Xデー”は秋か。レッドブル相談役マルコ、来季フェルスタッペンのチームメイトは「9月か10月には決めたい」
  • F1レッドブル角田裕毅、夏休み明けF1オランダGP初日は「予選想定が上手くいった」ロングランではセットアップに課題も
  • F1アロンソ&アストン、オランダ初日絶好調「マクラーレンは無理でも、他のトップチームとは戦えるかもしれない」 ホンダと組む来季にも自信

友だち追加

Follow @MotorsportJP