プレーに緻密さ欠いた巨人、つかみかけていた白星を手放す…阿部監督「当たり前のプレー重ねていかないと」
阪神5―4巨人(セ・リーグ=31日)――阪神が逆転勝ち。2点を追う七回、中野、森下、佐藤輝の連続適時長打で4点を奪った。巨人は中川が踏ん張れず、九回に1点差まで迫ったものの及ばなかった。

7回1死1、3塁、代打・大城卓が同点の適時2塁打を放つ(投手・才木、捕手・坂本)(31日、甲子園球場で)=前田尚紀撮影
甲子園でレギュラーシーズン最後の阪神戦も、終盤にもつれた末に競り負けた。才木を攻め立てて逆転したのもつかの間、プレーに 緻密(ちみつ) さを欠き、つかみかけていた白星を手放した。

7回2死2、3塁、中野に同点の2点2塁打を打たれた中川(31日)=前田尚紀撮影
3点を挙げて逆転した直後の七回だ。3番手の中川が二死一塁からつかまった。近本に初球を左翼線二塁打とされ、二、三塁。中野は簡単に追い込んだが、3球目のフォークボールが甘くなった。「絶対にボールにしないといけないカウントだった」と中川。飛びついた中堅のオコエが捕球できず適時二塁打となり、2者が生還して同点。森下の適時三塁打で勝ち越されると、佐藤輝が高々と打ち上げた打球を、右翼の中山が目測を誤って適時二塁打とされ、この回4点目を献上。悔いの残るプレーが重なり、主導権を明け渡した。

7回2死3塁、佐藤輝の打球を捕球できなかった中山(31日)=沢野貴信撮影
29日の今カード初戦後、阿部監督は勝利したにもかかわらず、キャベッジが見せた走塁での隙を挙げ、「細かいことがやっぱり大事。それができてなくて、この惨敗の仕方をしている」と話した。念頭にあったのは、シーズンを通して苦戦続きの阪神との差だった。
実際、紙一重を上回れていない。阪神との全24戦のうち、3点差以内の接戦は実に18試合に上り、7勝11敗。対戦成績はあと1戦を残して、7勝17敗となった。
前日に続く1点差での敗戦。首位阪神とのゲーム差は、今季最大の16に広がった。阿部監督が、かねて口にしてきた「当たり前のプレー」を重ねていかないかぎり、ライバルとの差は広がっていくばかりだ。(平山一有)
巨人・阿部監督 「勝たせてあげられませんでした。すみません」