ソフトバンクG株に3つの調整サイン、急騰続き過熱感-指数下押しも
(ブルームバーグ): 急騰が続いてきたソフトバンクグループ株に調整のサインが出始めた。日経平均株価の史上最高値更新を主導してきた同社株が下落すれば、指数の下押し圧力となりかねない。
ソフトバンクGは株価水準の高さから日経平均への寄与度が大きい。人工知能(AI)への期待などからマネーが集中し、株価はこの4カ月間で135%上昇。8月に入ってからは18日までに9連騰し連日で最高値を更新、時価総額は約7兆円増加した。日経平均も18日に前週末に続き史上最高値を塗り替えた。
しかし、米インテルへの20億ドル(約2960億円)の出資を発表した19日には利益確定の動きが広がり、同社株は4%安で取引を終えた。日経平均も3営業日ぶりに反落となった。
以下は、ソフトバンクG株の下落リスクを示す3つのチャートだ。
「買われ過ぎ」の領域

ソフトバンクGの株価とRSI
ソフトバンクG株の14日間相対力指数(RSI)は「買われ過ぎ」を示す70を超えて、18日には90に達した。2024年2月と7月に同様の水準に達した際は、その後株価が急落した。
アナリスト予想との乖離

株価とアナリスト目標との差
足元の株価はアナリストの目標株価を大幅に上回り、プラスの乖離(かいり)幅が少なくとも10年以降で最大となっている。過去にアナリスト目標を大きく上回った際には、その後上昇が一服する傾向が見られた。
フィリップ証券の笹木和弘リサーチ部長は、乖離は株価上昇がファンダメンタルズ要因だけではないことを示唆していると話す。ソフトバンクG株は日経平均に与える影響が大きいため、日経平均先物を買った投資家が併せて同社株を買った可能性があると指摘した。
ディスカウントの縮小

ソフトバンクGのNAVと株価
ソフトバンクG株は現在、1株当たり純資産価値(NAV)に対して約30%のディスカウントで取引されている。ディスカウント幅は7月末の48%から縮小しており、投資家にとってバリュエーション面では以前ほど魅力的でなくなっていることを示唆している。
7月にソフトバンクG株をポートフォリオに加えたスパークス・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、アンガス・リー氏は「短期的な過熱感がある」と話し、ここ数日利益確定売りに動いたことを明らかにした。ただ、堅調な相場が続く中、同社のビジョンファンドが投資する企業の新規株式公開(IPO)が増加する可能性や米半導体への積極投資など、プラス材料もまだあるとの見方も示した。
More stories like this are available on bloomberg.com
©2025 Bloomberg L.P.