「年収500万~750万円未満」世帯は預貯金、株式、投資信託、生命保険……いくら持っているのか?

「年収500万~750万円未満」世帯は預貯金、株式、投資信託、生命保険……いくら持っているのか?

全国5000世帯を対象に金融資産や借入金、家計の状況などを聞いた調査「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構)から年収500万~750万円未満世帯の金融資産の保有状況についてランキング形式で見ていこう。

単身世帯は預貯金より株式保有額が多い珍しい傾向

年収500万~750万円未満世帯は金融商品をいくら持っているのか。まずは単身世帯の結果について見ていこう。

金融商品(種類別)保有額(年収500万~750万円未満、単身世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※年間収入500万~750万円未満かつ金融資産保有世帯、実数204)よりFinasee編集部作成

金融商品(種類別)保有額ランキング(年収500万~750万円未満、単身世帯)

1位 株式 841万円 2位 預貯金(運用または将来の備え) 727万円(うち定期性預貯金320万円) 3位 投資信託 608万円 4位 生命保険 155万円 5位 個人年金保険 138万円 6位 債券 99万円 7位 その他金融商品 59万円 8位 損害保険 31万円 9位 財形貯蓄 25万円 10位 金銭信託 13万円

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※年間収入500万~750万円未満かつ金融資産保有世帯、実数204)よりFinasee編集部作成

年収500万〜750万円未満の単身世帯における金融商品の保有額ランキングは株式が841万円で1位となっている。2位は預貯金(運用または将来の備え)の727万円、3位は投資信託の608万円だ。

特筆すべきは株式の保有額が預貯金を上回っている点だ。これは他の年収帯や世帯構成ではほとんど見られない珍しい傾向となっている。単身世帯で見ると、年収1000万~1200万円未満も同様に預貯金よりも株式の保有金額が多かった。ただし、ほかの年収帯は年収1200万円以上も含め、預貯金が最も保有金額が大きい。

株式や投資信託をはじめとするリスク資産は市場の動向に伴い常に価格が変動する商品だ。自身のリスク許容度※を把握し、過度に偏りすぎないようポートフォリオを検討すべきだろう。

年収500万〜750万円未満の単身世帯においては、将来への備えとして預貯金よりも積極的な運用を目指す投資スタイルが顕著に表れている。あくまでも資産運用は余剰資金で行うこと、リスク分散の観点から多様な投資対象に目を向けること、預貯金などの安全資産を手元資金として確保しておくことなどの基本は遵守しておきたい。

※リスクをどれだけ受け入れられるかという度合いのこと。

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「預貯金」に次ぐ2位は「株式」、3位は…

世帯主の年収が500万~750万円未満の二人以上世帯が持つ金融商品の金額ランキングは次のとおりとなっている。

金融商品(種類別)保有額(年収500万~750万円未満、二人以上世帯)

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※世帯主年間収入500万~750万円未満かつ金融資産保有世帯、実数1095)よりFinasee編集部作成

金融商品(種類別)保有額ランキング(年収500万~750万円未満、二人以上世帯)

1位 預貯金(運用または将来の備え) 665万円(うち定期性預貯金280万円) 2位 株式 272万円 3位 生命保険 186万円 4位 投資信託 136万円 5位 債券 104万円 6位 個人年金保険 98万円 7位 損害保険 21万円 7位 財形貯蓄 21万円 9位 金銭信託 16万円 9位 その他金融商品 16万円

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(※世帯主年間収入500万~750万円未満かつ金融資産保有世帯、実数1095)よりFinasee編集部作成

年収500万~750万円未満かつ二人以上世帯の金融資産別の保有額ランキング1位は「預貯金」で665万円だった。そのうち定期性預貯金が280万円を占めている。2位は「株式」で272万円。価格変動リスクがある株式だが、保有額は定期性預貯金に肉薄する水準だ。

3位は「生命保険」(186万円)と続く。生命保険の保有額は、年収300万~500万円未満世帯(179万円)とあまり変わらない。

4位は「投資信託」(136万円)。こちらも株式同様、元本保証のない運用商品だ。なお年収300万~500万円未満世帯の方が140万円と若干、保有額が上回っている。

預貯金、株式、投資信託、保険…自身に合った組み合わせを

年収500万~750万円未満世帯では預貯金以外にも株式や生命保険、投資信託なども一定額保有している。それぞれの金融商品の特徴によってメリットやデメリットが異なるため、リスク許容度や家族構成などに応じて柔軟に組み合わせることが基本的な考え方となる。調査結果を参考に自身の金融資産のポートフォリオを見直してみるのも一案だ。

<調査概要> 調査名/「家計の金融行動に関する世論調査2024年」(金融経済教育推進機構) 調査時期/令和6年6月21日~7月3日 調査対象/単身世帯:全国2,500世帯(20歳以上80歳未満で単身で世帯を構成する者)、二人以上世帯:全国5,000世帯(世帯主が20歳以上80歳未満で、かつ世帯員が2名以上)、総世帯:令和3年調査より二人以上世帯、単身世帯の調査方法が同一となったことから、両調査の計数を合算する形で作成を開始した参考計表 調査方式/インターネットモニター調査

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。