韓国発グローバルショートドラマプラットフォーム「Vigloo」AI技術導入でジャンルを拡大へ…日本公開の作品にも注目

韓国発のグローバルショートドラマプラットフォーム「Vigloo(ビグルー)」が、オリジナル作品の制作現場にAIベースの制作技術を本格導入した。これにより、今まで予算や技術によって難易度が高かった大がかりなセットが必要なシーンや、特殊な撮影環境が必要なシーンも再現可能に。オリジナル作品制作におけるジャンルを拡大する。また、AIの導入により、制作時間の縮小など制作環境の改善も見込め、今後はクリエイター支援のためのサポート体制も構築していく予定だ。「Vigloo」は、日本をはじめとするグローバル市場でオリジナルコンテンツの配信を強化しており、AI導入による制作環境の整備を通して、ショートドラマ市場の普及に寄与していく。近年、スマートフォンを通じた動画視聴が拡大し、SNSや動画プラットフォームでは、短尺で縦型のコンテンツが増加した。直近の日本では、大手企業やテレビ局がショートドラマ市場に参入しはじめ、注目を集めている。すでにグローバルでもアジアを中心としてショートドラマが普及しており、今後は日本での市場拡大も期待される。「Vigloo」は、オリジナル作品の制作現場に、AIベースの制作技術を本格導入した。今回導入したAI制作支援システムにより、数千万円規模の予算が必要だった難易度が高いシーンでも、AIによる視覚効果や合成技術によって再現が可能になった。壊れた道路をバイクで走るシーンや中世の世界観を再現したファンタジーの背景なども、実際のセットや特殊な撮影環境が無くても制作できる。これまで「Vigloo」では技術力や予算の制約により、オリジナル作品のジャンルがロマンスに偏っていたものの、AIの導入により、SF・ファンタジー・アクションなどへと制作するジャンルを拡大していく予定だ。AI導入に伴い、「Vigloo」を運営するSpoonlabs韓国本社のチェ・ヒョクジェ代表は、AI専属タスクフォースを社内に新設し、クリエイターの支援にも力を入れている。現在、「Vigloo」では8つの言語をサポートしているということもあり、グローバル展開に向けた翻訳・吹替版の作成などの作業も発生。こういった主要な動画制作以外の部分でもAIを活用していく予定で、AIでの包括的なクリエイター支援により、制作時間の縮小など制作環境の改善と整備をし、サポート体制を構築する。8月より、韓国国内初となる、AI技術を用いたオリジナルショートドラマシリーズを韓国にて順次公開している。「Vigloo」は、オリジナル作品におけるジャンルの拡大・多様化を通じてショートドラマ制作におけるパラダイムシフトをけん引していく方針だ。チェ・ヒョクジェ代表は「AI技術によって、より多くのクリエイターが様々なジャンルや演出に挑戦できる制作環境を整えることが目標」とし、「年内に公開されるAI活用のショートドラマが、市場における新たな基準となると確信している」とコメント。また、日本公開のオリジナル作品でもAIを活用していく予定だ。