定期預金に「300万円」預けっぱなしだけど、年率5%の「資産運用」はどれだけお得? 20年後の差をシミュレーション

銀行の預金金利が上昇中!, 忘れてはいけない「インフレリスク」, インフレリスクに対抗するための投資信託, 投資信託の特徴を理解しよう, 定期預金と投資信託の20年後を計算してみよう

定期預金に「300万円」預けっぱなしだけど、年率5%の「資産運用」はどれだけお得? 20年後の差をシミュレーション

銀行の預金金利が徐々に上昇していることもあり、「定期預金に300万円ほど預けていれば資産は増えるはず」と思っていませんか。しかし、現状では定期預金だけで増やすのは難しいといえます。 本記事では、銀行の定期預金頼りの資産作りが難しい理由と、効率よく資産を増やす方法について紹介します。

銀行の預金金利が上昇中!

冒頭で紹介した通り、近年、銀行の預金金利が上昇しています。図表1は日本銀行が発表している預金種類別の店頭表示金利の推移です。

図表1

銀行の預金金利が上昇中!, 忘れてはいけない「インフレリスク」, インフレリスクに対抗するための投資信託, 投資信託の特徴を理解しよう, 定期預金と投資信託の20年後を計算してみよう

日本銀行 主要時系列統計データ表 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等 より筆者作成

若干の違いはありますが、どの銀行の金利も似た動きで推移しています。図表1をもとに、預け入れるタイミングにより1年間で増える金額がどの程度異なるかを計算してみましょう。預入金額300万円で試算、税金は考慮していません。

・2022年6月預入の場合:金利年0.005%

300万円+(300万円×0.005%)=300万150円

・2025年6月預入の場合:金利年0.256%

300万円+(300万円×0.256%)=300万7680円

預け入れた時期が3年違うだけで、増え方に7000円以上の差が生じています。

忘れてはいけない「インフレリスク」

定期預金でもお金は増えますが、モノやサービスの価格上昇についていけるほど増やせるでしょうか。

参考までに、総務省発表の「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分」より、2024年6月~2025年6月の指数の変化を見てみましょう。

図表2

銀行の預金金利が上昇中!, 忘れてはいけない「インフレリスク」, インフレリスクに対抗するための投資信託, 投資信託の特徴を理解しよう, 定期預金と投資信託の20年後を計算してみよう

総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分

2024年6月と2025年6月の総合指数を比較すると、3.3%も上昇しています。銀行の定期預金金利は3年で約0.25%上がりましたが、物価の上昇には追いついていません。

物価が上昇することで、金融資産の価値が相対的に下がることを「インフレリスク」といいます。金利分しか増えない銀行預金は、インフレリスクに弱い金融資産です。物価上昇に強いお金の増やし方についても積極的に考えるべきといえるでしょう。

インフレリスクに対抗するための投資信託

インフレに対抗するためには、インフレリスクに強い資産を作る必要があります。インフレリスクに強い資産には次のようなものがあります。

●有価証券:株式、投資信託など

●現物資産:不動産、金、外貨など

上記の中で、少額から始めやすく、初心者でも理解しやすいのは投資信託です。

投資信託の特徴を理解しよう

投資信託とは、多くの人からお金を集め、複数の株式や債券に投資し運用するというものです。投資先の選定や運用方針の決定は専門家が行います。

投資信託は、株式などでの運用になるため、元本保証されないというデメリットはありますが、市場の動き次第では、定期預金に預けるよりも大きな利益が得られる可能性がある金融商品です。利回りに換算すると、年3~8%台ほどになるケースが多く見られます。

投資信託は、証券会社や銀行を通じて購入可能です。100円程度から投資できる金融機関もあり、非常に始めやすい点もメリットといえるでしょう。

定期預金と投資信託の20年後を計算してみよう

定期預金と投資信託の増え方の違いを理解するために、それぞれの方法で300万円を運用した場合の20年後を試算してみましょう。なお、税金は考慮していません。

【定期預金】

年0.256%の金利で20年間運用した場合

●300万円を一括で預金→315万円7394円(利息:15万7394円)

●1.25万円/月を20年間積立(元本300万円)→308万円(利息:8万円)

【投資信託】

年5%の利回りで20年間運用した場合

●300万円を一括投資→795万9893円(利息:495万9893円)

●1.25万円/月を20年間積立(元本300万円)→514万円(利息214万円)

まとめ

身近な銀行でできる定期預金ですが、現在の金利ではインフレ率を上回るほど増やすのは難しいといえます。将来のことを考えてお金を増やしておきたいと考えるのであれば、投資信託などでの資産運用を考えましょう。

ただし、投資信託には元本保証がありません。メリットだけでなくデメリットも確認した上で始めてください。

出典

日本銀行 主要時系列統計データ表 預金種類別店頭表示金利の平均年利率等

総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)6月分

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー