「夫が65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定。収入のない5年間の生活費が不安…」ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんのアドバイス

Q 昔から家計管理は夫の役目。 わが家の詳しい資産状況を 把握していませんが、 将来困ることはありますか?, Q 夫が定年を迎えました。65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定ですが、収入のない 5年間の生活費が不安です, Q 元本割れのリスクが伴う「投資」には苦手意識があります, 【COLUMN】人生100年時代。気にすべきは「平均寿命」より「健康寿命」

「夫が65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定。収入のない5年間の生活費が不安…」ファイナンシャルプランナー・井戸美枝さんのアドバイス

普段はなかなか聞けないお金のこと。ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんに教えてもらいましょう! 雑誌「ゆうゆう」読者を代表して質問してくれたのは、もうすぐ60代を迎えるゆうゆうフレンド(読者モデル)の酒井昭子さん。気になる「60代以降のお金の話」を伺います。

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Q 昔から家計管理は夫の役目。 わが家の詳しい資産状況を 把握していませんが、 将来困ることはありますか?, Q 夫が定年を迎えました。65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定ですが、収入のない 5年間の生活費が不安です, Q 元本割れのリスクが伴う「投資」には苦手意識があります, 【COLUMN】人生100年時代。気にすべきは「平均寿命」より「健康寿命」

お話を伺ったのは

ファイナンシャルプランナー

社会保険労務士

井戸美枝さん

いど・みえ●専門は生活に身近な経済問題、年金・社会保険問題。

最新刊に『ゼロ活~お金を使い切り、豊かに生きる!~』(扶桑社)。

Q 昔から家計管理は夫の役目。 わが家の詳しい資産状況を 把握していませんが、 将来困ることはありますか?, Q 夫が定年を迎えました。65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定ですが、収入のない 5年間の生活費が不安です, Q 元本割れのリスクが伴う「投資」には苦手意識があります, 【COLUMN】人生100年時代。気にすべきは「平均寿命」より「健康寿命」

質問したのは

ゆうゆうフレンド

酒井昭子さん

さかい・あきこ●59歳。2018年ゆうゆうモデル(当時)オーディション合格。

1男1女の母で、現在は夫とふたり暮らし。

Q 昔から家計管理は夫の役目。 わが家の詳しい資産状況を 把握していませんが、 将来困ることはありますか?

A 夫が認知症になれば口座が凍結される可能性もあります

夫がお金の管理をしていて、妻は資産の状況をよく知らないというケースは珍しくありません。が、問題は夫が認知症になったとき。認知症などにより本人に適切な判断力がないと判断された場合、金融機関の口座が凍結される可能性もあります。そうなると条件をクリアしなければ、家族でもお金を引き出せません。もしもに備え預け入れ先や、資産状況などを夫婦で共有しておくほうがベターです。

Q 夫が定年を迎えました。65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定ですが、収入のない 5年間の生活費が不安です

A 厚生年金のみ65歳から受け取るのがおすすめ

年金を66歳以降に繰り下げて受給すると、1年につき8.4%増加。75歳まで繰り下げられますが、平均寿命から考えると目安は72歳ぐらいまでがいいでしょう。ただし、厚生年金には65歳まで受け取れる「加給年金」という約42万円の配偶者の加算があり、繰り下げ受給をするとそれが受け取れなくなります。そこで、厚生年金のみ65歳から受給しては。70歳以降に老齢基礎年金(国民年金)を受け取ることにしてはどうでしょうか。

Q 元本割れのリスクが伴う「投資」には苦手意識があります

A インフレの今、投資に挑戦するのも一つの手

投資には元本割れのリスクがありますが、今の時代、銀行預金ではほとんどお金は増えません。インフレが続くとお金の価値が相対的に低下するため、NISAなどを利用してコツコツと積み立てる投資にトライするという選択肢をもっていてもいいと思います。ただし、投資に使うのは余剰資金など、10年以上は使う予定がないお金に。生活費や将来の医療費、介護費など、必要なお金を投資に回すのはNGです。

【COLUMN】人生100年時代。気にすべきは「平均寿命」より「健康寿命」

Q 昔から家計管理は夫の役目。 わが家の詳しい資産状況を 把握していませんが、 将来困ることはありますか?, Q 夫が定年を迎えました。65歳まで働き、70歳から年金をもらう予定ですが、収入のない 5年間の生活費が不安です, Q 元本割れのリスクが伴う「投資」には苦手意識があります, 【COLUMN】人生100年時代。気にすべきは「平均寿命」より「健康寿命」

厚生労働省の統計では、亡くなる人が最も多い年齢は女性の場合およそ93歳、男性の場合およそ88歳。一方、健康寿命は女性およそ75歳、男性およそ73歳。人が死ぬまでの寿命と自分が元気に暮らせる年齢にはこのように大きな違いが。健康寿命以降の期間は介護や医療のお世話になる可能性が高くなり、当然お金の負担も増えることに。自分自身が元気で過ごせる期間を考慮して、お金の使い方を考えてみましょう。

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イラスト/あらいのりこ

※この記事は「ゆうゆう」2025年9月号(主婦の友社)の記事を、WEB掲載のために再編集したものです。

監修者

ファイナンシャル・プランナー 井戸美枝

いど・みえ●井戸美枝事務所代表。ファイナンシャル・プランナー、社会保険労務士として相談業務、講演、執筆活動を行う。『一般論はもういいので、私の老後のお金「答え」をください! 増補改訂版』(日経BP)など著書多数。