レッドブルのメキーズ新代表にかかる重責……苦境から立て直せるか?「この状況に、圧倒などされていない」

 ベルギーGPから、急遽レッドブルのチーム代表を務めることになったローレン・メキーズ。レーシングブルズの代表を務めていた頃とは、集まる注目度合いも異なるが、それに圧倒されるようなことはないという。

 クリスチャン・ホーナー代表が突然解任されたことで、その後任としてレッドブルのチーム代表に就任することになったメキーズ。それまでは、ジュニアチームであるレーシングブルズを率いていたものの、一転注目度が著しく高いポジションに立たされることになった。

 しかもレッドブルは、以前のような圧倒的な強さを発揮できているわけではない。2年前には22戦21勝を達成したレッドブルだが、今やマクラーレンに太刀打ちできず、メルセデスやフェラーリにもプレッシャーをかけられる立場になってしまった。つまりメキーズには、チームの立て直しという重責がかかっている。

「これから待ち受けるモノを、決して軽視していない」

 レッドブルのチーム代表を2戦務め、現時点での課題の大きさに圧倒されているかと尋ねられたメキーズ代表は、そう語った。

「トップチームには、勝利という目標がある。中団で戦うのと最も大きく違うのは、レースウィークエンドごとに答えはひとつしかない……勝ったのか、負けたのか。それが全員の期待のレベルを決める」

「我々はそれを楽しんでいる。レッドブル・レーシングとしても、それを楽しんでいる。ファクトリーに足を踏み入れれば、勝つことばかりを考えている人たちがいる。それはとても力強い感触だ」

 ハンガリーGPは、マックス・フェルスタッペンですら9位、角田裕毅も17位と、レッドブルにとってはかなり厳しいグランプリとなった。しかしこういったグランプリを経験することは、今後に向けたモチベーションになると、メキーズ代表は語った。

「このスポーツでは、回復する力がとても重要だ。今回のように、世界が自分の思い通りに進んでいないと感じる週末もあるだろう。でも、チームには多くの才能、多くのスキル、そして豊富な経験がある。我々はそのことをよく理解している」

「今回のような週末のおかげで、我々は前進することができる。そう感じている。だから、問題の多さに圧倒されているわけではない。こういう気持ちは、我々全員が何度も経験してきた感情だ。そしてそれが、チームの将来の成功の原動力になると確信している」

 なおマクラーレンのCEOであるザク・ブラウンは、メキーズのレッドブル代表就任を歓迎。前代表のホーナーは「やりすぎた」と語り、メキーズに代表が交代してからは「良い立場になり、団結している」と語った。しかもホーナー代表はブラウンCEOと直接会話をすることはほとんどなかったという。

 ブラウンCEOをはじめ、ライバルチームとの関係構築について尋ねられたメキーズ代表は、次のように語った。

「コース上での戦いは別として、このスポーツの将来について、そしてこのスポーツとして将来に向けて行なうべき重要な戦略的決定について、共に議論することは、競技者同士が行なう普通のことだと思う」

 そうメキーズ代表は言う。

「意見が食い違ったり、短期的・中期的な利益を主張するようなこともあるだろう。でもザクやアンドレア(ステラ代表/マクラーレン)、トト(ウルフ代表/メルセデス)、フレッド(フレデリック・バスール代表/フェラーリ)、マッティア(ビノットCTO/ザウバー)など、全ての人たちと良好な関係を築いている。とても良いグループだ」

「F1委員会として十分に活動してきたので、このスポーツに真に貢献したいのであれば、そして今のこのレベルのスポーツにおいては、短期的や中期的な利益を追求するのではなく、FIAやF1と共にどう前進していくかについて話し合うべきだという意識を持つようになった」

「まさにそれが、我々が目指していることだ。我々の傾向を隠すことはないが、どのように対処するかということについては、建設的な姿勢で臨んでいる」

関連ニュース:
  • F1レッドブルのメキーズ代表、角田裕毅のハンガリーGPを高評価「これまでで最高の結果だった」
  • F1フェルスタッペンがレーシングブルズのマシンを”テスト”していれば、レッドブルの苦境は回避できたのか?

友だち追加

Follow @MotorsportJP