レッドブル、元チーム代表兼CEOクリスチャン・ホーナーを正式解雇。登記上からも名前が消える

 レッドブル・レーシングのチーム代表を電撃解任されたクリスチャン・ホーナー。それから1ヵ月を経て、レッドブルがイギリスに置く様々な法人の取締役からも正式に解任されることとなった。

 F1界を揺るがす衝撃のニュースが飛び込んできたのはイギリスGPから数日後のことだった。レッドブルGmbHの株主が変革を選び、ホーナーは傾きかけているレッドブル・レーシングのチーム代表兼CEOを解任され、イギリス・ミルトンキーンズを拠点とする同F1チームでの20年にわたる歴史に終わりを告げた。

 レッドブルGmbHは、ホーナーの広範にわたった権限をコントロールすべく、後任として元レーシングブルズ代表のローレン・メキーズを起用。レッドブル・レーシングのマネジメントにフォーカスさせるよう役割を絞った。

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 当初ホーナーは、運営上の役割から即時解任されたものの、イギリスの会社登記所に登録されたレッドブル関連の複数の事業体には書類上、彼の名前が残っていた。具体的にはF1チームである「レッドブル・レーシング」、F1技術を他カテゴリーに応用する「レッドブル・テクノロジー」、ホンダ製パワーユニット(PU)を運用する「レッドブル・パワートレインズ」、そして来季に向けて独自PUを開発する「レッドブル・パワートレインズ2026」の取締役として雇用され続けている格好だった。

 7月にホーナーがレッドブル・レーシングのチーム代表とCEOを解任された際、レッドブルGmbHのグローバル人事部長を務めてきたステファン・ザルツァーが管理上の理由から上記4つの事業体の取締役に加わった。

Max Verstappen, Red Bull Racing, Christian Horner, Red Bull Racing

 ホーナーはレッドブル・レーシング黎明期から指揮を振るい、マックス・フェルスタッペンとセバスチャン・ベッテルという4度のF1世界チャンピオンを獲得したドライバーをふたり輩出。コンストラクターズチャンピオンには6回輝いた。

 しかしホーナーは2024年に女性従業員に対する不適切行為疑惑で物議を醸した。内部調査によってその疑いは晴れたが、ホーナーとディートリッヒ・マテシッツ総帥亡き後のレッドブルGmbHとの間に溝を生み、ホーナーが近年築き上げた権力にレッドブルGmbH側が警戒心を強めていた。

 現在レッドブル・レーシングではメキーズが代表を務め、レーシングブルズではその後任としてレーシングディレクターを務めていたアラン・パルメインがチーム代表に昇格した。

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