家では絶対無理だと思っていた、シチリア風イワシのパスタ。この調理法なら簡単!
「いま、家にあるものだけで、手早くおいしく作りたい」
そう思っている人は多いと思います。
その悩みを上手に解決してくれるのが、アルモンデ料理家、大塚佑子さん。
「アルモンデ」は、「今あるもので」「季節にあるもので」の意味。
家にあるものを無駄なく使う、旬でお得な食材を使う、という意味でもあります。
さて、今回のテーマは、「茹で魚でメイン級のおかず」です。
魚は「家にアルモンデ」ではないのでは? と思うかもしれませんが、スーパーで切り身の魚などが安く売られていたとしたら、それは、いますぐ食べてOKなアルモンデ状態。
さて、どうやって食べましょう。
塩焼きしか思いつかない、煮魚は難しい、一、二切れでは家族分に足りない、そんなときにぜひ試してみていただきたいのが「茹でる」という調理法です。
ご紹介するのは、「シチリア風イワシのパスタ」。
魚の骨は、茹でれば簡単に取れる
いいイワシが安く売っていて、ついつい買ってしまったけれど、今日は食べられないなあ、というようなとき、ありませんか。イワシは劣化の早い魚です。
そのまま冷蔵庫に入れておくよりも、その日にまず茹でてしまうと安心です。そこから色々な料理に展開していくのも楽しみです。
アルモンデの状況を、先に作るという感じ。
茹で魚のメリットのひとつは、骨が外しやすいこと。茹でてからほぐせば、小骨も手できれいに除くことができます。
イワシやカレイのような皮が薄い魚は、茹でると皮がはがれやすくきれいに仕上げるのが難しいのですが、最初から身をほぐして材料として使うのであれば、気楽に楽しめます。
イワシのパスタはレストランでも人気ですが、きれいに骨を取っておろすのは素人には難しいもの。でもこの方法ならチャレンジできます。
缶詰のオイルサーディンを使って作るよりも、断然さっぱりしていておいしいです。ぜひ試してみてください。
基本の茹で方は以下の通りです。
基本の魚の茹で方
【1】切り身の魚は、両面に軽く塩をして、そのまま10分ほど置く。
【2】魚から出た水分は、臭みの元になるので、キッチンペーパー等でしっかり拭き取る。
※味がついている魚の場合、【1】【2】は不要。味噌漬けなどは、味噌を拭い取って使う。
【3】魚がひたるくらいの湯を沸かし、沸騰したら料理酒(無塩)を大さじ2〜3ほど加える。
魚は皮目を下にして、静かにお湯の中に入れ、すぐにごく弱火にする。
水面がゆらゆらするくらいの温度をキープして約7分茹でる。
【4】茹で上がったら身が崩れないように、フライ返し等ですくいとり、水気を切っておく。
シチリア風イワシのパスタ
<材料>
茹で鰯/ミニトマト/ニンニク/オリーブオイル/塩/パスタ

イワシは魚屋さんで、頭と内臓を取ってもらいましょう
<作り方>
【1】沸騰したお湯に、塩で下処理したイワシを入れます。すぐに泡が収まるので、このまま火を弱めます。
【2】茹でているうちに身が崩れてくるかもしれませんが、問題ありません。

最終的にほぐすので大丈夫
【3】湯から上げ、粗熱が取れたら骨を外します。中骨をまず取り、小骨は指の腹で探りながら外していきます。イワシの小骨は細いので完璧に取れなくてもOK。皮はつけたまま。好みですが、あまり細かくしないほうが食べ応えがあっておいしいです。

小骨も手で簡単に外れます
【4】パスタを茹でている間にソースを作ります。ミニトマトは半分に切り、ニンニクは潰しておきます。ニンニクはお好みでみじん切りでも薄切りでも。潰す<薄切り<みじん切りの順に香りが強くなります。
オリーブオイルはフライパンの底が浸るくらい入れ、ニンニクを加えて弱火で熱します。ニンニクの周りがシュワシュワしてきたら、トマトを入れて中火にし、時々ヘラなどで潰しながら煮崩します。

オリーブオイルは多め
【5】トマトが8割くらい煮崩れたら、鰯を加えて一度沸騰させ、塩で味を整える。

【6】茹で上がったパスタを加えてさっと和えたら出来上がり。

イワシは茹でてあるので、臭みもない
▼アルモンデ、ここが大切
※缶詰でもいいのですが、生のトマトで作ると俄然おいしくなります。特に、水分の少ないミニトマトは味が濃いのでおすすめ。アルモンデ作ってみてください。
※ショートパスタや、茹でたじゃがいもに合わせても、パンに乗せても!
※茹でたショートパスタにソース→チーズを乗せて、焼いてグラタン風にしてもおいしい。