【札幌記念】「宝塚記念で初角5番手以内だった馬」は複回収率174%! データで導く穴馬候補3頭

データで見る「穴候補3頭」, 「宝塚記念で先行した馬」は複勝率8割! リビアングラス, 500キロ以上の大型馬を狙え! ハヤテノフクノスケ, 堀宣行厩舎×短期免許騎手は回収率も良好 シュトルーヴェ

【札幌記念】「宝塚記念で初角5番手以内だった馬」は複回収率174%! データで導く穴馬候補3頭

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データで見る「穴候補3頭」

今週日曜は札幌記念が行われる。例年豪華なメンバーが集まる定量のGⅡ競走で、GⅠがない夏競馬期間におけるJRA最大の注目レースと言っても過言でない。

今年はGⅠ馬がステレンボッシュだけとメンバーがやや小粒なのは否めないが、それでも皐月賞2着馬コスモキュランダ、天皇賞(秋)3着馬ホウオウビスケッツなど重賞勝ち馬が9頭を占める。この楽しみな一戦で好配当を掴むべく、様々な切り口のデータを駆使して3頭の穴候補を導き出した。

「宝塚記念で先行した馬」は複勝率8割! リビアングラス

1頭目はリビアングラス。2023年菊花賞4着の実績がありながら3勝クラスの突破にしばらく手こずったが、明け5歳でようやくOP入り。以降は京都記念2着、日経賞4着、宝塚記念7着とGⅡ~GⅠ戦線で健闘してきた。

データで見る「穴候補3頭」, 「宝塚記念で先行した馬」は複勝率8割! リビアングラス, 500キロ以上の大型馬を狙え! ハヤテノフクノスケ, 堀宣行厩舎×短期免許騎手は回収率も良好 シュトルーヴェ

芝中距離の定量戦である札幌記念は春GⅠで揉まれてきた馬が多く出走してきて、そして順当に結果も残す。過去10年の当レースで前走国内GⅠ組は【4-7-6-25】複勝率40.5%、複回収率102%。ギリギリではあるが黒字圏内だ。

データ上の理想は安田記念組【2-3-1-5】だが今年は不在。もうひとつの狙い目は「宝塚記念で先行した馬」。前走・宝塚記念で初角5番手以内なら【0-2-2-1】複勝率80.0%、複回収率174%だ。GⅠで前につけるスピードを見せた馬が、200mの短縮で着順を上げてくるケースが多い。

リビアングラスはその宝塚記念を初角2番手で通過。逃げ切ったメイショウタバルとは力差を感じる結果だったが、稍重馬場の1000m通過59.1秒を先行してGⅠ・7着ならこちらも及第点と言っていい。相手緩和の今回は勝ち負け可能だろう。

500キロ以上の大型馬を狙え! ハヤテノフクノスケ

続いて青森県産馬ハヤテノフクノスケをピックアップ。条件戦を二つ圧勝して臨んだ天皇賞(春)は大敗したが、前走の函館記念で2着と重賞通用の力を示した。

データで見る「穴候補3頭」, 「宝塚記念で先行した馬」は複勝率8割! リビアングラス, 500キロ以上の大型馬を狙え! ハヤテノフクノスケ, 堀宣行厩舎×短期免許騎手は回収率も良好 シュトルーヴェ

札幌記念では「大型馬」の活躍も目立つ。こちらも過去10年でデータを見ると、馬体重500kg以上で出走した馬が【3-5-5-27】複勝率32.5%、複回収率102%だった。札幌コースは直線こそ短いがコーナーの角度は緩く、いわゆる「小回り」ではない。そういう意味では巨漢馬にとって走りやすいコースなのかもしれない。

馬体重500kg以上あった馬のうち、父か母父にロベルト系種牡馬を持つ馬は【2-1-2-3】複勝率62.5%、複回収率163%と特に好相性。今年のメンバーでは前走時532kg、母父シンボリクリスエスのハヤテノフクノスケがいる。数十kg単位の変動がない限り、これが唯一の該当馬だ。

函館記念は外が伸びるトラックバイアスで施行され、外枠の差し馬が1着、3着、4着という決着。内枠から掲示板を確保したのはこの馬だけだった。札幌芝2000mは昨年夏に2戦して1着、2着と結果が出ている舞台。スムーズな立ち回りが叶えば面白い。

堀宣行厩舎×短期免許騎手は回収率も良好 シュトルーヴェ

ラストは堀宣行厩舎所属のシュトルーヴェ。鞍上には今週が短期免許期間ラストとなるレイチェル・キング騎手が予定されている。

データで見る「穴候補3頭」, 「宝塚記念で先行した馬」は複勝率8割! リビアングラス, 500キロ以上の大型馬を狙え! ハヤテノフクノスケ, 堀宣行厩舎×短期免許騎手は回収率も良好 シュトルーヴェ

堀厩舎といえば短期免許の外国人ジョッキーを積極的に起用することで有名だが、ただ乗せるだけでなく結果も伴っている。過去5年(2020年8月15日~2025年8月10日)、堀厩舎が短期免許騎手を起用した際の成績は【71-43-25-142】複勝率49.5%。同期間のJRA所属騎手では複勝率33.9%なので、勝負度の違いは明白だ。

より限定してJRA所属騎手→短期免許騎手の乗り替わりは【34-20-16-61】複勝率53.4%、複回収率101%。さらに古馬重賞に限ると【5-1-1-6】で、複勝率53.8%はほぼ変わらないが複回収率は144%までアップする。古馬重賞で、堀厩舎がJRA騎手から短期免許騎手にスイッチした時は「買い」と判断できる。

今回のシュトルーヴェは鮫島克駿騎手→R.キング騎手の乗り替わり。まさに上記と合致する。昨年は日経賞、目黒記念とGⅡを連勝し、秋はジャパンカップと有馬記念にも参戦したほどの馬。どちらも10着に終わったが、トップクラスの相手に着差0.8秒と大きくは負けていない。前走ダイヤモンドステークスはハンデ59kgと特殊な距離がこたえて参考外。力を出せる中距離戦でGⅡの相手関係なら、頼もしい鞍上込みで要警戒だ。

《ライタープロフィール》

鈴木ユウヤ

東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。