【札幌記念】唯一のGⅠ馬ステレンボッシュが本命 ホウオウビスケッツは加点材料豊富も無印に

【札幌記念】唯一のGⅠ馬ステレンボッシュが本命 ホウオウビスケッツは加点材料豊富も無印に

ⒸSPAIA

格が重要な夏の大一番

17日、札幌競馬場で行われる第61回札幌記念。「GⅠに格上げを!」という話が毎年のように聞かれるように、これまで数多くの実績馬がこのレースに出走してきた。

個人的に印象に残っているのは、ハープスターとゴールドシップの一騎打ちとなった2014年。残り800mを過ぎたところでもまだブービーとしんがりだった2頭だが、大外をひとまくりして最後は一騎打ち。本当に強い馬は、コースを選ばないのだと感心した記憶がある。

果たして、今年の札幌記念ではどのような名勝負が生まれるのか。今回も過去10年の成績を基にして検証していきたい。

☆所属

美浦6勝(8連対)、栗東4勝(12連対)。勝率、連対率、複勝率のすべてで美浦所属馬が上回っている。

☆性別

牡馬・セン馬が8勝、2着9回と連対馬の大半を占めている。ただ複勝率は牝馬が上で、勝率、連対率も大きな差はついていない。

なお、連対した牝馬はいずれもGⅠ勝ち馬。集計期間外だが、上記で名前が出たハープスターもGⅠ馬だった。

☆年齢

最多9頭の連対馬を出している5歳馬と、全体頭数は少ないが高確率で馬券に絡んでいる3歳馬がプラスデータ。7歳以上からは勝ち馬が出ていない。

☆前走クラス

馬券に絡んでいるのは、海外も含めた重賞組。条件戦やオープンを走っていた馬は用事がない。ここでは馬券に絡む確率が高い前走GⅠ組と、勝率が最もいい前走海外組がプラスデータだ。

☆主な前走

連対馬が最も多いのは安田記念(5頭)で、連対率は45.5%と優秀。ただし今回は該当馬なし。また、香港のクイーンエリザベス2世カップ(QE2)も、計5頭とサンプルは少ないながら3頭が連対し、2年連続で勝ち馬を出している。ところが、こちらも該当馬不在だ。

なお、当地で行われているクイーンS組は出走した8頭がすべて着外に沈んでいる。

☆前走着順

前走1着馬から勝ち馬が出ていないのは意外。かといって、前走10着以下からも勝ち馬が出ていない。勝率、連対率がいいのは前走5着馬となっている。

☆前走人気

こちらは前走1番人気に支持されていた馬が5割の確率で馬券に絡んでいる。

一方、前走5番人気は全滅。前走着順とは逆のことが起こっている。前走10番人気以下からも勝ち馬が出ていない。

☆前走距離

前走1600mだった馬の成績がいい。ただ、馬券に絡んだ馬はすべて安田記念組。マイル組というより、安田記念組が強いのだろう。

2000m組が最多の8連対。この間の距離となる1800m組は21頭が出走し、馬券に絡んだのは2015年の勝ち馬ディサイファ1頭だけだった。

☆その他

前走で1秒以上負けていた馬からは勝ち馬が出ていない。また、前走馬体重460kg以下の馬は勝利どころか連対もない。

惜しかったホウオウビスケッツ

それでは、データをまとめてみよう。今回の登録馬に該当するデータは以下の通り。

【好走率アップ】

A「美浦所属」

B「5歳馬」

C「前走GⅠ」

D「前走5着」

E「前走1番人気」

【勝率ダウン】

F「前走1800m」

【勝ち馬なし】

G「7歳以上」

H「前走1着もしくは10着以下」

I「前走10番人気以下」

J「前走1秒以上の負け」

【連対馬なし】

K「GⅠ勝ちがない牝馬」

L「前走オープンもしくは条件戦」

M「前走・クイーンS」

N「前走5番人気」

O「前走馬体重460kg以下」

最初に、プラスデータを勝率順に並べてみる。結果は以下の通り。

今回のプラスデータは5つ。このうち4つに該当するのがホウオウビスケッツ。以下はプラスデータ2つだから、抜けた存在といえる。

ただし、この馬は連対馬が出ていないN「前走5番人気」に当てはまっているため、泣く泣くノーマークとする。

勝ち馬が出ていない「G~J」、連対馬が出ていない「K~O」に該当しない馬で、プラスデータを2つ持つのはコスモキュランダ(AC)とステレンボッシュ(AC)の2頭だけだ。

どちらも「A」「C」なので比較が難しいのだが、注目したいのは連対馬が出ていないK「GⅠ勝ちがない牝馬」のデータ。裏を返せば、牝馬で連対したのはすべてGⅠ勝ち馬ということ。桜花賞を勝っているステレンボッシュはこれに当てはまるので、今回はこちらを本命としたい。それ以外ほぼ互角のコスモキュランダは2番手でいいだろう。

続いて、プラスデータを連対率順に並べると、以下のようになる。

相手探しということで、ここからは「G~J」を含む馬も対象とする。プラスデータを2つ持つ馬はアラタ(AC)、シュトルーヴェ(AD)、リビアングラス(BC)の3頭だ。

連対率が最もいいデータはE「前走1番人気」なのだが、これに該当する馬いない。続くのはC「前走GⅠ」、D「前走5着」、B「5歳馬」、A「美浦所属」の順。2番目と4番目を持つリビアングラスを上位とし、以下は2番目と5番目を持つアラタ、3番目と5番目を持つシュトルーヴェの順番でいいだろう。

◎ステレンボッシュ

○コスモキュランダ

▲リビアングラス

△アラタ

×シュトルーヴェ

《ライタープロフィール》

門田 光生(かどた みつお)

競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想などを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて園田・姫路競馬を中心に予想・記事を執筆中。

基本的にクーラーをつけっぱなしで寝れない人なんですが、暑すぎて感覚がおかしくなっているのか、ときどき窓を開けずに寝ていたり、長袖長ズボンでタオルケットにくるまって寝ていたりすることがあり、目が覚めると汗びっしょりだったりします。それでもすぐ寝れるのだから、よほど疲れがたまっているのでしょうか。熱中症で倒れる人は、たぶんこんな感じなんだろなあと思う今日この頃です。