株安と円高がつらかった…億り人会社員ハルさん「2億り人」から陥落しました【新NISA応援】

 トランプ大統領の関税政策による景気後退懸念もあり、株安と円高が同時進行。特に2月下旬から4月上旬にかけて、S&P500や全世界株式の投資信託を保有している人は損失が拡大した。2024年12月末時点で資産2億円以上だった会社員「2億り人」のハルさんはどれくらい損した?【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】

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 私のポートフォリオの中で株式が占める比率は7割ぐらい。2024年12月末の2億399万円が2025年2月26日には1億9942万円。約457万円のマイナスで「2億り人」から陥落しました。

 3月13日現在で2025年の年初から1500万円ほど目減りし、1億8965万円に。

 資産が減るのは悲しいですが、今回は気にしていません。

 米国株を割高に感じており、2025年は円建てで半額になってもおかしくないなと思っていたからです。

 株安を予想していながら、どうして手持ちの米国株や外貨建ての投資信託を売らなかったか。

 株価が割高だとしても、バブルのときってそんなことは関係なく上昇が続くものだと考えるからです。

「今、高いな」と感じるたびに保有資産を売っていたら、その後に再び上昇したときの利益を逃してしまいます。

 そもそも、ここで上がる、ここで下がるといった自分の予測が当たる自信もありません。

■半額になっても余裕か

 もし株価が現在より50%下落しても、金銭的にも精神的にも影響が出ない範囲で投資をすることが大切です。

 株価も為替も、先読みは難しい。株価が突然下がることなんて普通に起こりますし、まさかの反転上昇することだっていくらでもあります。

 米国株はいまだに歴史的に割高な状態ですから、さらに下落が続くかもしれません。

 円高に関しては、日銀の利上げと米国FRB(連邦準備制度理事会)の利下げが想定通りに行われれば、もっと円高方向に進むかもしれません。

 市場が想定している以上に日米の利上げ・利下げ幅が大きかったならば、日米金利差の縮小でさらに急速な円高となる可能性だってあります。

 2024年から新NISAで投資をはじめた人は、しょんぼりせずにつみたてを続ければいいと思います。

 資産形成期は、株価がいったん低迷したあとから上がったほうが「安い値段でたくさん仕込める」ので有利だからです。

 そうわかっていれば、株安・円高のダブルパンチでも「むしろうれしい」と思えるのではないでしょうか。

 下がり続ける株価も、上がり続ける株価もありませんから、ドーンと構えていましょう!

取材・文/中島晶子(AERA編集部)、安住拓哉

橘 ハル(たちばな・はる)億り人会社員。米国の高配当株やS&P500、全世界株式の投資信託などへの投資で、30代ながら億り人に。優待株も楽しむ。4人家族。X(旧ツイッター)@haru_tachibana8

編集/綾小路麗香、伊藤忍

『AERA Money 2025夏号』から抜粋