【8月に支給される給付金】「年金生活者支援給付金」いくら支給される?対象になるのはどんな人?《もらうには請求手続きが必要》
- 3種類ある「年金生活者支援給付金」対象になるのはどんな人?
- 《老齢・障害・遺族》年金生活者支援給付金は3種類
- 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件
- 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件
- 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件
- 「年金生活者支援給付金」いくら支給される?
- 2025年度は+2.7%の増額「年金生活者支援給付金」支給金額はいくら?
- 「年金生活者支援給付金」もらうには「請求手続き」が必要です
- 「請求手続き」新たに老齢年金を受け取り始める人
- 「請求手続き」すでに年金受給中の人
- みんな年金をどれくらいもらってる?「厚生年金・国民年金」平均月額は?
- 【国民年金・厚生年金】平均年金月額&個人差・男女差
- 「厚生年金+国民年金」平均年金月額
- 「国民年金」平均年金月額
- 【高齢者の生活意識】55.8%は「大変苦しい」「やや苦しい」と回答
- 高齢者世帯の生活意識
- 「年金生活者支援給付金」支給要件を満たしている限り《偶数月》に受給できます
3種類ある《年金生活者支援給付金》支給要件・給付基準額をチェック!
【8月に支給される給付金】「年金生活者支援給付金」いくら支給される?対象になるのはどんな人?《もらうには請求手続きが必要》
「年金生活は厳しい」「家計が大変」など、年金をもらいながらの生活に負担を感じていませんか。
とくに今の季節はエアコンの電気代がかかるため、物価高が続いていることもあり、家計が圧迫されやすくなっています。
日本にはさまざまな制度があるのですが「知らなかった=もらえなかった」となるケースもあるため注意が必要です。
みなさんは、2019年からはじまった「年金生活者支援給付金」という制度を知っていますか。
消費税率引き上げ分を活用してできた給付金です。次の支給日は8月15日となっています。
一時的な支援制度ではなく、恒久的な制度となっていますので「支給対象になる方へ、2カ月に1度の偶数月に継続的に支給される」のが特徴です。
ただし、たとえ支給対象になっていたとしても「請求手続き」を行わなければもらえません。
そこでこの記事では「年金生活者支援給付金」の対象になるのはどんな人なのか、いくら支給されるのかわかりやすく解説します。
請求手続きについてもご紹介しますので、ぜひご覧ください。
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3種類ある「年金生活者支援給付金」対象になるのはどんな人?
「年金生活者支援給付金」は、基礎年金を受給中で、年金等の収入や所得の合計額が一定基準以下となる場合に受け取ることができるお金です。
《老齢・障害・遺族》年金生活者支援給付金は3種類
《老齢・障害・遺族》年金生活者支援給付金は3種類
「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の対象は、下記の支給要件をすべて満たす方です。
・65歳以上の老齢基礎年金の受給者
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
「障害年金生活者支援給付金」の支給要件
・障害基礎年金の受給者である
・前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 障害年金等の非課税収入は除く
「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件
・遺族基礎年金の受給者である
・前年の所得(※)が472万1000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
3種類の年金生活者支援給付金は、いずれの種類においても、前年の所得額が支給要件として定められています。
「年金生活者支援給付金」いくら支給される?
年金生活者支援給付金は、公的年金と同様に毎年度、物価変動に応じて支給額の見直しが行われる決まりです。
2025年度については前年度より+2.7%の増額改定に。
この増額率は6月に支給された4月分給付金から適用されています。
2025年度は+2.7%の増額「年金生活者支援給付金」支給金額はいくら?
2025年度は+2.7%の増額「年金生活者支援給付金」支給金額はいくら?
・老齢年金生活者支援給付金(基準額):5450円
・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級6813円・2級5450円
・遺族年金生活者支援給付金:5450円
老齢年金生活者支援給付金のみ、上記の基準額をもとに保険料納付済期間や免除期間に応じて実際の給付額が計算されるため、個人差が出ます。
「年金生活者支援給付金」もらうには「請求手続き」が必要です
年金生活者支援給付金は、請求手続きを行わないと受け取ることはできません。支給要件を満たせば自然に年金に上乗せされるものではないのです。
ここでは、「これから新たに老齢年金を受け取る人」と、「すでに年金を受給中の人」、それぞれのケースに分けて手続き方法を解説します。
「請求手続き」新たに老齢年金を受け取り始める人
・65歳になる3カ月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封されて、「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」が届きます
・必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金請求書と併せて年金事務所に提出します
「請求手続き」すでに年金受給中の人
・毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送されます
・必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函します
年金生活者支援給付金請求手続きのご案内
年金生活者支援給付金は、一度請求手続きをおこなえば、翌年以降は支給要件を満たす限り自動で継続して受け取れます。
また、原則として請求した月の翌月分から支給が開始されます。
みんな年金をどれくらいもらってる?「厚生年金・国民年金」平均月額は?
ここからは、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、厚生年金と国民年金の平均年金月額を見ていきます。
グラフから「平均」だけでは読み取れない「男女差・個人差」にも注目してみてください。
【国民年金・厚生年金】平均年金月額&個人差・男女差
【厚生年金・国民年金】平均年金月額&個人差・男女差
「厚生年金+国民年金」平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:14万6429円(国民年金部分を含む)
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
「国民年金」平均年金月額
〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金(国民年金部分を含む)の平均年金月額は、男性が約16万7000円、女性が約10万7000円。男女間で約6万円もの開きがあります。
厚生年金加入月数と、その期間の収入が年金額に反映された結果で、現役時代の働き方で老後の年金に大きな個人差が出るのです。
一方で、国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額は男女ともに5万円台にとどまります。
保険料の未納や免除などにより受給額が低い人が一定数いるため、平均額が押し下げられているということです。
ただし、グラフから実際の受給者分布を見ると、ボリュームゾーンは6万~7万円台。満額(※)に近い年金を受け取っている層が厚いことも事実です。
※老齢基礎年金の満額:6万9308円(2025年度月額)
【高齢者の生活意識】55.8%は「大変苦しい」「やや苦しい」と回答
平均額だけでは見えにくい年金の個人差は、シニアの生活実感にどう影響しているのでしょうか。
厚生労働省の「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」から、高齢者世帯(※)の生活意識に関するリアルな結果を見てみましょう。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
【高齢者の生活意識】55.8%は「大変苦しい」「やや苦しい」と回答
高齢者世帯の生活意識
・大変苦しい:25.2%
・やや苦しい:30.6%
・普通:40.1%
・ややゆとりがある:3.6%
・大変ゆとりがある:0.6%
この調査結果からは、シニア世帯の暮らし向きが、経済状況によって大きく3つの層に分かれている様子が見えてきます。
まず、半数以上(55.8%)が「大変苦しい」「やや苦しい」と回答し、日々の生活に経済的な厳しさを感じています。
その一方で、「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と回答した世帯は合計してもわずか4.2%。経済的な余裕を実感できているシニア世帯はごく一握りのようです。
「年金生活者支援給付金」支給要件を満たしている限り《偶数月》に受給できます
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今回は「年金生活者支援給付金」の対象になるのはどんな人なのか、いくら支給されるのか解説しました。
また、次の支給日は8月15日となっており、請求手続きについてもご紹介しました。
物価高により、家計が圧迫されているご家庭が増えていることが考えられます。
日本にはさまざまな制度がありますが、年金生活者支援給付金のように、たとえ支給対象になっていたとしても「請求手続きをしないともらいない」ものもあるため、どのような制度があるのか確認しておくことも大切です。
なお、年金生活者支援給付金は「恒久的な制度」です。支給対象になっている限り「2カ月に1度の偶数月」に受給できます。
少しでも家計の負担を軽減させることが期待できますので、ご自身やご家族が支給対象になっていないか、よく確認しておきましょう。
参考資料
・厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします~年金額は前年度から 1.9%の引上げです~」
・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求する方の請求手続きの流れ」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」
・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求手続きのご案内リーフレット」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明