フェネストラズ、SF復帰初+苦しんできたトムス37号車で嬉しい表彰台「岩佐を攻略できるチャンスは、最初のSC解除時だけだった」
サッシャ・フェネストラズは、スーパーフォーミュラ第8戦SUGO東北大会で2位表彰台を獲得した。フェネストラズは今季スーパーフォーミュラに復帰して初の表彰台。しかもこれまで長く苦しんできたVANTELIN TEAM TOM’Sの37号車が好成績を収めたことで、非常に重要な1戦になったと言えよう。
フェネストラズは予選で2番手フロントロウを確保。決勝レースでは終始岩佐歩夢(TEAM MUGEN)を追いかけたが、ついぞ届かず。2番手でチェッカーを受けた。
優勝はできなかったものの、フェネストラズは今回の結果を大いに喜んでいる。
「シーズン前半は本当に難しく、苦戦していた。そんな中で2位を手にすることができたのは、本当にポジティブだったと思う」
フェネストラズは決勝レース後の記者会見でそう語った。
「もちろん勝ちたかったけど、それでも2位という結果は嬉しい。トムスの37号車は、この数年ずっと苦戦してきた。今回の結果によって、モチベーションも上がると思う」
トムスはこの2年連続で、スーパーフォーミュラのドライバーズタイトルを獲得してきた。しかしもう1台のマシンは軒並み苦戦。チャンピオンに輝いた宮田莉朋や坪井翔に大きな差をつけられてきた。フェネストラズはその苦戦してきたマシンを引き継ぎ、今季開幕直後はやはり苦戦。しかしそこから徐々に立ち直りを見せてきて、ようやく表彰台まで辿り着いたわけだ。
「ただ本当に難しいレースだった。セーフティカーも出たし、デグラデーションが大きかったのでタイヤマネジメントにも気を遣わなければいけなかったんだ」
「レースの90%は、タイヤをマネジメントしていた。僕たちは、特にデグラデーションが大きかったと思う。でも最後の10分はまた雨が降るという予報もあったので、そこでプッシュできるかなと思っていたんだけど、ちょっと足りなかった」
そんなフェネストラズには、1回だけ岩佐を攻略するチャンスがあった。それは、レーススタート時のセーフティカーランが解除された、まさにその瞬間だった。
「オーバーテイクのチャンスは、最初の周回だった。アウトから仕掛けてみたんだけどやっぱり少しタイトで、うまくいかなかった。でもあのバトルは、とてもエキサイティングだったね」
なおこのスタート直後のバトルについては、勝った岩佐も次のように語っている。
「スタートの時のターン1だけが、抜かれてしまいそうなシーンだったと思います。自分としても、かなり『うわっ!』と思いましたし」
そう岩佐は言う。
「あれはセーフティカーのランプが消える位置がいつもと違って、かなり遅かったんです。本来ならばバックストレートに入ったところで消えるんですけど、あの時は馬の背くらいで消えていた……その分セーフティカーとの距離を開けられなくて、手前からリスタートできなかったんです。それで詰められてしまいました」
「でもそこを凌いだ後は、自分がコントロール下に置いてレースを進めることができましたね」
フェネストラズ曰く、前回の富士戦の時にマシンに変更を加えたことで、上昇気流に乗ることができているという。ただ最終的には次戦のパフォーマンスを見て、状況を判断したいと語った。
「また表彰台に上がりたいという思いはもちろんありますけど、一歩ずつ進めていければいいと思います」
そうフェネストラズは語った。
「前回の富士でのレースは、とても良い週末になった。クルマの色々なところを変えて、良い方向なったと思うよ。この変更は、シーズンの後半に向けても期待ができるモノだと思う」
「でも次のレースを見て、本当に良い方向にいっていることを確信したいと思う。とにかく最後まで、ベストを尽くしたい」
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