若手がサプライズを起こしそう「だった」SUGOの予選。小出峻&小高一斗、好調も不運に泣き最後列に……肩を落とす

 スーパーフォーミュラ第8戦SUGOの予選が終わった。今回の予選は、午前中のフリー走行の結果を踏まえるといくつかの“サプライズ”が見られそうな予感があった。しかし蓋を開けてみれば、確かに3人中ふたりが今季初のトップ3とやや新鮮な顔ぶれとはなったものの、期待されたほどのインパクトはないセッションとなった。

 中でも期待外れの結果に終わってしまったのが、San-Ei Gen with B-Maxの小出峻だ。

 ルーキーの小出は第2戦鈴鹿でいきなり8位に入ったが、それ以降は下位でのレースが続いてしまっていた。ただSUGO戦のFP1ではトップタイムをマークして周囲を驚かせ、今季ほとんど固定となっている上位の顔ぶれに風穴をあけた。

 しかしながら、予選Q1で小出はS字の縁石に乗り上げてジャンプしてしまい、着地地点近くでマシンが止まってセッションを終えることになってしまった。一見するとドライビングミスのようにも思えるアクシデントだったが、マシントラブルだったようだ。

「予選が始まった段階から、ちょっとクルマがおかしいなという感じはしていたんです。ただ100%メカニカルトラブルかというと、そこまで(言い切れるような)問題ではありませんでした」と小出は言う。

「それで走っていた途中に、シケイン(S字)の手前で明らかに右フロントの(ホイール)ハブが折れてしまいました。それでどうしようもなく、縁石を飛び越える形になってしまいました」

 入賞した鈴鹿でのセットアップをベースに、他のサーキットで試したアイテムを取り入れたことでフリー走行から好調だった小出。赤旗の原因となったことで最後尾スタートとなるが、好調さを活かして少しでも追い上げられるレースをするだけだと語った。

「フリー走行を見ても、調子が悪くないのは確実です。クルマはメカニックさんたちが完璧に直してくれると思います。明日はチームのために全力で、ひとつでも前のポジションを目指すことにフォーカスするだけです」

「ドライなら調子は良いですし、雨だったら(注:決勝は雨の予報もある)オーバーテイクしやすいと思うので、どっちに転んでも良いポジションまで追い上げられる自信はあります」

 もうひとり、取材を受けるミックスゾーンで意気消沈していたドライバーがいた。それがKDDI TGMGP TGR-DCの小高一斗。今季ここまで入賞がない小高だが、フリー走行ではタイムシートの上位に居続けて、ユーズドタイヤでのアタックながら10番手タイムをマークしていた。しかし予選ではQ1落ちで総合21番手と、小出と共にグリッドの最後列を占める形となってしまった。

 小高はアタック中に前を走る大嶋和也(docomo business ROOKIE)が3コーナーでコースオフしたことで、その煽りを受けてしまった。彼はこう語る。

「大嶋さんがフロアのトラブルでスピンしてしまいましたが、僕は真後ろを走っていました」

Kazuto Kotaka, KDDI TGMGP TGR-DC

「僕が後ろにいた時は大嶋さんがコース上にいて突っ込みそうになったので、そこでアタックを止めるしかありませんでした」

 小高は当該区間のセクター1で大きくタイムロス。ただセクター3は同組2番手、セクター4はトップだった。どちらも主に高速セクションであり、序盤の低速セクションでどれだけのタイムが出ていたかは未知数だが、少なくともQ1は通過できると本人も感じていただけに、かなり悔しがっていた。

「Q1は通ったと思いますし、すごく悔しいです」

「富士や鈴鹿のようなコースと比べると、SUGOは気持ちで走れるコースでもあるので、僕らにとってチャンスがあるコースでした。ここのSUGOに懸けていた部分もありますし、実際調子も悪くなかったので、結果に繋げられず超悔しいですね」

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