ハミルトン引退の可能性はマジである! ”自己不信”が7度F1王者に引導渡す……ラルフ・シューマッハの目

 元F1ドライバーのラルフ・シューマッハーは、フェラーリでの苦戦が続く状況の中でルイス・ハミルトンがF1から引退する可能性が「十分にあり得る」と述べた。

 7度のF1王者であるハミルトンは、苦戦のままに終わったハンガリーGPの週末に意気消沈しており、予選後時点でメディアに対して自身が「役立たず」だと語り、フェラーリは”別のドライバーを検討すべきだ”と自虐的なコメントを残した。

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 ハミルトンは、メルセデスでの12年間でタイトル6回を獲得した後にF1界の名門フェラーリへ移籍した。現在40歳となったハミルトンは歴史あるチームで走るという生涯の夢を叶えると同時に、史上最多となる8度目のドライバーズタイトルを獲得することを目指してきた。しかし、チーム加入以来、ハミルトンはマシンへの適応に苦しみ、大半のレースでチームメイトのシャルル・ルクレールに後れを取っている。

 シューマッハーは、このような状況ではドライバーが自己不信に陥るのは簡単なことだと語った。

「実際のところ、それはかなり単純なプロセスだ。チームメイトが何かをやっているのを見て、自分も何度も何度も試す。しかし、どうしても上手くいかない。するとある時点でこう思ってしまう……『もうこのクルマでできることは全部試した。この相手の方が速い』とね」

 シューマッハーはポッドキャストのBackstage Boxengasseでそう語った。

「そして打開策が見つからなければ、自己不信が忍び寄ってくる。『そもそも自分はなぜこれをやっているんだ? もう楽しめない。家族を置き去りにしてまで……』と。まあ、ルイスはまだ家庭を築いていないが、友人や仲間はいる。そして、今言ったようなプロセスが始まるんだ」

 シューマッハーは、ハミルトンがF1以外の取り組みに専念する道を選び、レースを続けるよりもそちらに軸足を移す可能性があると示唆した。

「ルイスは非常に裕福な人物だ。『よし、別のことをやろう。映画を作ろう』と言うかもしれない。それもうまくいっている。彼は新しいF1映画にも関わっているのだから。『どうしてこんなことを続けなきゃならない?』と考えてもおかしくない。そして40歳でそう考えることは決して突飛な話ではないだろう。一生をサーキットで走ることに費やす必要はない」

Lewis Hamilton, Ferrari, Esteban Ocon, Haas F1 Team

「だから彼の発言を踏まえると、本当にそうなる可能性があると思っている。3ヵ月前、私がルイスは引退するかもしれないと考える理由を話したが、その時は多くの人から批判を受けた。しかし今となっては、彼自身がそのことを口にしている。何かが起きている」

「もちろん、もし彼が状況を好転させることができれば、それ(引退)は過去の話になる。時には1回か2回の出来事が、その後のモチベーションを支えることもあるし、再び楽しめるようになることもある。サッカーで長い間ゴールが決まらなかった選手が、ようやく1点決めた時のようなものだ」

「レーシングドライバーにしてみれば極限の1周だったり、、誰も予想しなかった表彰台を獲得することだ。それが起これば、それで良いだろう。しかしそうでなければ、私はルイスが年末で引退する可能性も否定できない」

 F1は現在サマーブレイク期間中となっているが、ハミルトンは、8月29日から31日に開催されるオランダGPに向けて、この期間で心身をリセットしてから復帰したいと述べていた。

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