ライバルのメンタルを折れ! マルケス、シーズン後半も全力宣言「駆け引きをしたりはしない」
ドゥカティのマルク・マルケスは、2025年シーズンのMotoGPを支配したままサマーブレイクに突入したが、シーズン後半もその勢いのまま、ライバルのメンタルを折りに行くようだ。
マルケスはアラゴン、ムジェロ、アッセン、ザクセンリンク、ブルノと5戦連続でスプリント&決勝でダブル優勝。ランキング2番手の弟アレックス・マルケス(グレシーニ)とのポイント差を120ポイントに広げる結果となった。
決勝レースは12戦8勝、スプリントレースでは実に11勝をマークしており、獲得可能ポイントのうち85.8%を獲得している。
こうした成績を考えると、今季のMotoGPはもはや誰がチャンピオンになるのかではなく、マルケスがどこでいつタイトルを決めるのかといったシーズンとなっている。

Marc Marquez, Ducati Team
しかしマルケス本人は、そうしたポイント計算や、どこでタイトルを決めるかについては考えていないという。
「タイトルを確定させたい場所や時期は言わない。正直、夏休みの後の10レースに臨むにあたって、このチャンピオンシップを失う可能性がある立場にいるのは僕だけだと考えている」
「もしマネジメントが必要なら、そうする。しかし、勝てるなら絶対に狙っていく」
マルケスはひとり独走で勝つよりも、例えばマルコ・ベッツェッキ(アプリリア)と争ったドイツGPスプリントやペドロ・アコスタ(KTM)と戦ったチェコGPのようにホイール・トゥ・ホイールのバトルを好む。
そうした状況でもマルケスは落ち着いており、時には自らそんな状況を求めているようにさえ見える。
マルケス本人も、そうした状況について尋ねられ、それを否定はしない。しかしタイヤの内圧を下げるためにあえて他のライダーの後ろに回るなど、致し方ないケースの場合もある。
「ライバルたちをリスペクトしているから……みんな速いからね。その質問には応えない」
「ブルノではベッツェッキの後ろに付くのは快適ではなかった。昔のMotoGPでは、ライダーを追いかけやすかった。しかし、現在のエアロダイナミクス(空力パーツが載ったバイク)では、誰かの後ろを走ることは本当に厄介だ。それが皆が先頭にいたい理由だ」
「ベッツェッキを抜き去るのに苦労した。0.5秒の余裕があったからできたんだ」
「このままやり続ける。駆け引きをすることなくね。もしそうするときがあるとしたら、それは誰かが燃え尽きたときだ」

Marc Marquez, Ducati Team
今季のマルケスの支配力は、ホンダ時代の全盛期よりもさらに驚異的だ。そしてライバルたちがレースが始まる前から既に敗北感を抱えているように見えるのは、まさに彼が望んでいることだ。
「ライダーとして目指すのは、ライバルたちが精神的に打ちのめされた状態でレースに臨むことだ。だが、それは非常に難しいことだ。アスリートとして本当に求めているのは、彼らの……恐怖ではなく、尊敬を得ることだ。そしてそれはマイクの前で得られるものではない。練習やレースで、常に先頭に立つことで得られるものだ」
ある意味、マルケスはより冷静になったように見える。2020年に負った大怪我の厳しい経験が、彼の性格を和らげたのかもしれない。
「今は少し落ち着いている。物事を少し深く考えるようになった……ほんの少しだけどね!」と彼は笑う。
「20代から30代にかけては当然変化する。でも僕が経験したような怪我を乗り越えると、特にトラック上で熱くなった瞬間でも、決断する前に深く考えるようになるんだ」
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