【70代おひとりさまのリアル】年金はいくら?貯金は足りてる?最新データを公開!
年金月額は平均いくら?貯蓄額の中央値は?2025年度の年金増額とあわせて、リアルな金額をグラフで見える化
【70代おひとりさまのリアル】年金はいくら?貯金は足りてる?最新データを公開!
次の年金支給日は8月15日です。2025年度の年金は1.9%の増額で3年度連続プラス改定となりました。
令和7年度の年金額の例
老後、安心して暮らすために、年金は欠かせない存在です。しかし、将来の年金がどうなるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
日本の公的年金制度は、現役世代が支払う保険料を高齢者の年金給付に充てる仕組みですが、少子高齢化の影響で将来の年金額が減ってしまう可能性も否定できません。
そこで今回は、70歳代のひとり世帯を例に、現在の貯蓄額や年金受給額など、具体的な数字を交えながら、老後のお金について考えてみたいと思います。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【約30年で約2倍に】「シニアのおひとりさま世帯」は年々増加傾向に…。
厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、2024年における、65歳以上の世帯構造は下記のとおりです。
65歳以上の世帯構造は?
【2024年:65歳以上の者がいる世帯の割合】
・単独(おひとりさま)世帯:32.7%
・夫婦のみの世帯:31.8%
・親と未婚の子のみの世帯:20.4%
・三世代世帯:6.3%
・その他の世帯:8.8%
統計データを見ると、かつて主流だった「三世代同居世帯」は大きく減少し、現在では「夫婦のみの世帯」と「単身世帯」がほぼ同程度の割合で、それぞれ全体のおよそ3分の1を占めています。
このように、65歳以上の世帯構成は三世代同居から夫婦世帯・単身世帯へと移行しており、それに伴って暮らし方や家計のあり方も大きく変化しています。
次に、70歳代の単身世帯における貯蓄状況について詳しく見ていきましょう。
【70歳代・おひとりさま世帯】貯蓄ゼロの世帯はどのくらいいる?
70歳代・おひとりさま世帯の貯蓄事情について、金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査 2024年」を参考に確認していきます。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
※貯蓄額には、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。
70歳代・単身世帯の金融資産保有額(金融資産非保有世帯含む)
・平均値:1634万円
・中央値:475万円
・金融資産非保有:27.0%
・100万円未満:5.1%
・100~200万円未満:5.7%
・200~300万円未満:4.9%
・300~400万円未満:3.9%
・400~500万円未満:2.2%
・500~700万円未満:7.3%
・700~1000万円未満:5.9%
・1000~1500万円未満:8.9%
・1500~2000万円未満:4.7%
・2000~3000万円未満:6.1%
・3000万円以上:15.9%
・無回答:2.4%
70歳代の単身世帯における平均貯蓄額は1500万円を超えていますが、実際の実態を反映するとされる中央値は475万円であり、平均と中央値の差は約1000万円にのぼります。
これは、貯蓄額が世帯によって大きく異なることを示しています。
具体的には、貯蓄がまったくない世帯が全体の約3割を占める一方で、2000万円以上の貯蓄を持つ世帯は約2割を占めています。
とはいえ、老後の生活を支える資金源は貯蓄だけではなく、収入の柱となる「公的年金」の存在も非常に重要です。
では、老後の生活における公的年金の平均受給額を次に確認していきましょう。
【厚生年金と国民年金】現シニアが受け取っている「平均月額」はいくら?
厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、現代シニアの平均的な年金額を見ていきましょう。
国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額をチェック
・〈全体〉平均年金月額:5万7584円
・〈男性〉平均年金月額:5万9965円
・〈女性〉平均年金月額:5万5777円
厚生年金の平均年金月額をチェック
年金月額
・〈全体〉平均年金月額:14万6429円
・〈男性〉平均年金月額:16万6606円
・〈女性〉平均年金月額:10万7200円
※国民年金部分を含む
現在のシニア層が受け取っている公的年金の平均額は、国民年金で月5万円台、厚生年金で月14万円台となっています。
ただし、特に厚生年金については、現役時代の就労状況や加入期間によって支給額に大きな差が生じるため、個人差が大きいのが実情です。
現役時は意識しにくいかもしれませんが、今の働き方が将来の年金額に直結するという点は、早めに理解しておくことが大切です。
また、将来受け取る年金額を事前に把握しておくことで、老後資金の準備をより計画的に進めることが可能になります。
そのためにも、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用し、自身の年金見込み額を確認しておくことをおすすめします。
年金は「2ヶ月に1回」支給!計画的な資金管理をしておこう
老後の生活設計を考える際に押さえておきたいポイントの一つが、年金の支給が「偶数月に2ヶ月分まとめて振り込まれる」という仕組みです。
公的年金は多くのシニアにとって主要な収入源ですが、2ヶ月ごとの支給となるため、月ごとの収支を見据えた計画的なやりくりが求められます。
さらに、老後も税金や健康保険料などの支払いは続くため、家計シミュレーションを行う際には、これらの固定支出も含めて計算する必要があります。
こうした点を踏まえたうえで生活設計を立てておくことで、将来の不安を軽減し、より安心して老後を迎えるための基盤を整えることができるでしょう。
まとめにかえて
今回は70歳代のおひとりさま世帯の貯蓄額や年金について、詳しく見てきました。
年金額は人によって違いますので、あくまで目安ではございますが、現在の生活よりも生活水準を大きく下げるのは難しいと感じる場合はやはり、老後までに貯蓄しておくことが重要です。
しかし、いきなり大きな金額を貯めると継続できずに目的額まで貯められないことが多く起こります。
ご自身のペースで、無理のない範囲から始めてみましょう。
参考資料
・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
・厚生労働省「2023年 国民生活基礎調査の概況」
・厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」