平川亮、ハースTPCで富士コースレコード更新ならず……でもF1マシンの限界ではない「もっと涼しい時間帯だったりすれば、あのタイムは出る」
富士スピードウェイで行なわれているハースF1のTPC。初日は平川亮が乗り、2日目には坪井翔が初のF1ドライブを経験している。
初日の平川のベストタイムは1分18秒538だった。事前には、2008年のF1日本GPでフェラーリのフェリペ・マッサが記録した富士スピードウェイのコースレコード、1分17秒287を更新するのではないかとも期待されていたが、これは叶わなかった。
ただこのタイムは、今のF1の”限界”を表したモノではない。
「暑かったのは若干残念でした。クルマとタイヤにとっては、かなり厳しい条件でした。限界以上の温度だったので、そのあたりは難しい部分も多かったですが、ドライビングやセットアップについて、良い勉強になったと思います」
平川は走行終了後にそう語った。
「こんなに高い路温で走った記憶があんまりないです。でも高速コーナーはやっぱり速いですし、ブレーキはよく止まるし、ダウンフォースが多いのはこの気温でも感じます」
「ショートランでは、100Rは全開ですし……この夏場にこの速度域で走れるのは、さすがにF1だなと思います。スーパーフォーミュラでも、冬ならば全開でいけるんですけどね」」
ただ平川はラップタイム、特にレコードタイムのことは、あまり考えていなかったと明かす。
「朝走り出した時、マシンのバランスはあまりよくありませんでした。そこを色々と改善していく走行プランでした。自分としてはあまりタイムは意識していなくて、路温も一気に上がっていった。そこに合わせながら、富士を初めて走るということもあって、大きな変更があったりしました」
「その中でああいうタイムが出ました。特に午前中は、そこを追いかけている時間はあまりありませんでしたね」
しかも今回持ち込まれたハースのVF-23は、富士スピードウェイに合わせた空力パッケージではなかったようだ。特にリヤウイングは、傍目に見ても大きめのモノが搭載されていた。
「正直に言うと、富士に合わせるリヤウイングはないです。なのでちょっと重め。この時期にもかかわらず100Rを全開でいけるんで、ちょっとダウンフォースがつきすぎていると思います。ただ、富士でレースするわけじゃないので、そういうモノ(最適なリヤウイング)がないというのが、一番の理由だと思います」
「もっとタイムを追いかけるなら、もうちょっと軽めのダウンフォースの方がいいでしょうね」
マッサが記録したレコードタイムは、届かないモノか? それとも十分に更新可能なレベルのタイムなのか? そう尋ねると、平川は次のように語った。
「もうひとつ柔らかいタイヤを持ってきたり、夕方の気温が下がった時間帯に走れば、そのタイムは多分出ます。最速タイムを出したのも、路温がほぼ一番高い時間帯でしたからね(注釈:基本的には路温や気温が高いと、タイムが出にくい傾向にある)」
「しかもたとえば今年のマシンを持ってくれば、多分2秒くらいは速い……もっと速いかもしれません。そういう中で今回のタイムというのは、悪くないのかなと思います」
平川は、これまでのキャリアで数々の経験を積んできた富士スピードウェイを、F1マシンで走るのは感慨深かったと語る。
「富士は色々と経験してきたサーキットなので、そこをF1で走るのは……なんて言うんですかね、感慨深いというか……元々レースを始めたのも、ここで2007年にF1(日本GP)を見てからでした。そういう意味でも、色々と感じるモノはありました」
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