フェルスタッペンが語る、ハンガリーGP惨敗の理由「戦略失敗は大きな問題じゃない。とにかく遅すぎた」
レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1ハンガリーGPを9位でフィニッシュ。昨年まで4年連続チャンピオンを獲得してきた男が、苦労を強いられている。
フェルスタッペンは周囲のマシンが1ストップで走り切る中、2ストップを選択。しかしながらその2ストップ目の恩恵を被ることはできなかった。もし1ストップで走り切ったのならば、5位か6位は狙えたはず……レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、レース後にそう語っている。
ただ戦略について尋ねられたフェルスタッペンは、それは今回あまり大きなことではないと語った。
「それが今回の結果の最大の原因ではないと思う。週末を通じて、とにかく本当に遅かったんだ」
そうフェルスタッペンは語った。
「グリップと低速、中速域でかなり苦戦した。それが決勝でも問題だったんだ。どんな対策を講じても……例えば1ストップを目指していたとしても、いずれにしても苦戦したと思う」
「今週末の苦戦について、チームは色々な考えを持っている。もちろん、ここで明かすことはできないけどね」
2ストップ目を選んだのは、前を行くマシンをアンダーカットするつもりだったのか? あるいはタイヤが単純に消耗しきっていたからなのか? そう尋ねられたフェルスタッペンは、次のように説明した。
「その両方だと思うね。そもそもタイヤのフィーリングが良くなかった。グリップがまったくなくて、とにかく滑っていた。その上でトラフィックに巻き込まれていた」
「問題は、新品タイヤを履いても、低速域でのグリップがまったくなかったことだ。低速コーナーでは、みんなに引き離されてしまい、アタックすることができなかった。とにかく全てがとても難しかったよ」
今季ここまで2勝を挙げているフェルスタッペン。この勝利数を、シーズン後半に積み重ねることができるかは分からないと言う。
「僕らは常に、まずまずの成績を残したいと思っている。もちろん、誰もがすでに2026年の開発に注目していると思う。しかし最終的に目指すべきことは、より一貫性のある行動と結果だと考えている」
「今季中にさらに勝てるかどうかは分からない。このような週末の後では、何とも言えないね。でも何が起きるか分からない。常にサプライズがあるかもしれないしね」
フェルスタッペンは今季開幕時、チャンピオン争いに加わることは難しいかもしれないと語っていたが、それが現実のものとなっている。
「僕は過度に楽観的になったり、悲観的になったりしないようにしている。でもまあ、どうなるか見てみようという感じだった。もちろん、開幕前には何レースか勝てればと思っていたし、実際にそれは実現できた。2勝もできたからね。厳しいね」
「でも一方で、マクラーレンは昨年から今年にかけて、素晴らしい仕事をしてきたことを認めなければいけない。そして僕らの側からすれば、少し厳しい状況になっている」
これでフェルスタッペンは、4戦連続で表彰台すら逃す結果となった(途中ベルギーGPのF1スプリントでは勝利を収めている)。そして今回は姉妹チームのレーシングブルズ、リアム・ローソンにも先行されることになった。
「僕らには今週末、とにかく速いマシンがなかった。それが問題だ」
「(4戦連続で表彰台を逃したことは)今僕らが考えている問題を考えれば、驚くべきことではない。一方でこの4年間、本当に良い結果をたくさん出せたとも思っている。成功と失敗はつきものだ」
レッドブルは角田裕毅も含めて大いに苦戦。逆に最近では、姉妹チームのレーシングブルズの方が安定したパフォーマンスを発揮している。実際に角田に関して言えば、レーシングブルズのマシンを走らせていた時の方が成績が良かった。
その状況に、レース後にはマルコ博士にこんな質問が飛んだ。「マックスをレーシングブルズのマシンに乗せたら、どうなっていたか……そんなことを考えたことがあるか?」と。そう尋ねられたマルコ博士は、ひと言こう語った。
「いや、ないね」
なおフェルスタッペンはルイス・ハミルトン(フェラーリ)をコース外に押し出した疑いがあるとして、レース後に審議対象となったが、これは調査の結果不問となされている。
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