レッドブルRB21は根本的に何かがおかしい……フェルスタッペンは今季3勝目の可能性を悲観。チームも空回りの現状を認める
F1ハンガリーGPの週末はレッドブルにとって厳しい挑戦になるということが、如実にあらわれている。テクニカルディレクターのピエール・ワシェが「何も上手くいっていない」と語るように、予選でマックス・フェルスタッペンは8番手。角田裕毅は16番手に沈み、ピットレーンスタートを選んだ。
レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、チームがなぜ2025年マシンRB21からハンガロリンクで競争力を引き出すことができないのか、現時点では答えを導き出すことができていないという。
このような厳しい週末になると予想していたか? とmotorsport.comがマルコに尋ねると次のように答えた。
「いや、まったく初めてのことだ。予選中、必要なグリップを見つけることができなかった。改善したが、それでも原因は分からない」

Dr Helmut Marko, Red Bull Racing
「Q1から既に厳しかった。ユウキはマックスから0.1秒差でQ1進出を逃した。その後、改善が見られ、マックスは素晴らしい仕事をして、Q3に進出することさえできた」
レッドブルRB21に根本的な問題?
フェルスタッペン自身、予選後にオランダメディアに語ったところによると、ハンガリーGPではここまでセットアップに関して数多くの方向性を試したものの、効果がなかったという。
「色々試したけど、今のところ何も上手くいっていない」とフェルスタッペンは悔しがった。
「もちろん、いくつかアイデアはあるけど、いつだって公にはできない。週末が終わってから、全てを分析してみるしかない」
「結局のところは、今はさほど手痛いというわけではない。何かを目指して戦っているわけじゃないからね」
フェルスタッペンは既に自身がタイトル争いから脱落しているとして、そう語った。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は記者会見で、フェルスタッペンをタイトル争いから除外するべきではないと口にしたが、現実とは異なる。本人もそれを理解している。
「僕はベストを尽くして、スパでのスプリント勝利のように、今年はいくつかハイライトを残そうと努力している。でも今週末は、残念ながら何も上手くいっていない」とフェルスタッペンは言う。
苦戦の原因は低中速コーナーで構成されるハンガロリンクとの相性にあるのかもしれないが、フェルスタッペンはそれを言い訳にしたくないようだ。
「去年は予選3番手、ポールポジションまであと0.004秒だった。当時はさほど難しくなかったんだ」とフェルスタッペンは言う。
「コースのせいにはしていない。ただ今回は、根本的に何かがおかしい」

Max Verstappen, Red Bull Racing
今季勝利数は“2”でストップ?
F1はハンガリーGP後にサマーブレイクへと入る。しかしフェルスタッペンは今後、シーズンが好転するとは考えていない。現在の状況で今年中にもう1勝できると思うか? と尋ねられたフェルスタッペンは次のように答えた。
「いや、今の状況では無理だ。それが現実だし、明らかだ」
そしてレッドブルはこの新たな現実を受け入れる必要があるとフェルスタッペンは語った。
「僕にできることはなにもない。怒ることはできても、それでマシンが速くなることはない」
予選では、Q2からQ3にかけて風向きが変化したこともあり、フェラーリのシャルル・ルクレールがマクラーレン勢を下してポールポジションを獲得した。フェルスタッペンは自身がマクラーレン勢に手が届かなかったこともあり、ルクレールのポールポジション獲得に驚いている。
「シャルルはずっと速かったけど、ここでマクラーレンが負けるなんて……僕はずっと彼らから1秒近く離されていたのに、Q3では突如0.3秒差になった」とフェルスタッペンは言う。
「とても不思議なことだけど、そのことに集中しているわけじゃない。みんなそれぞれ自分のことをやっている。僕には僕自身の問題があるし、それだけでもうお腹いっぱいだ」
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